研究概要 |
今年度は,自己の動作情報と視覚情報の学習による協調に関する研究と,シミュレーション上での自己/他者運動写像空間の構成に関する研究を行い,それぞれ論文発表を行った.今年度の補助金は主に研究用ヒューマノイドプラットフォームの購入に当てられた. 1.自己の動作情報と視覚情報の学習による協調に関する研究では,ロボット自身が設計者のキャリブレーションを必要とせずに視覚情報と運動情報の関係を得ることを目的とし,小単位の基本動作ごとに視覚情報と動作パラメータを適応的に関連づける手法の提案を行った.提案手法を2体の小型ヒューマノイドロボットに適用することにより蹴球動作やボール到達運動等のサッカーの基本動作を獲得させることに成功し,世界で初めてヒューマノイドロボットによる対面パス行動を実現した.その成果は世界的なロボット競技会であるRoboCup2004で披露され,さらに国際学会IROSで発表された.この研究を行うにあたって,研究用ヒューマノイドプラットフォームを購入した. 2.自己/他者運動写像空間の構成に関する研究では,他者運動の観察情報と自己運動の視覚情報の単純な画像特徴量の同一性をもとに他者運動の観察画像から自己の動作を想起し,その時間的な相関関係から視覚から得られる他者の姿勢情報と自身の間接角度から得られる体性感覚を構成する手法の提案を行った.モーションキャプチャーデータによって得た運動動作のデータを使って相手の運動中の画像情報,自身の運動中の間接角度情報を生成し,シミュレーション上での提案手法の検証を行った.その研究成果は国際学会ICDLにおいて発表された.
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