研究分担者 |
浅田 稔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60151031)
板倉 昭二 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50211735)
MACDORMAN K.F. 大阪大学, 大学院・工学研究科, 科学技術振興特認教員(助教授) (60372629)
宮下 敬宏 ATR知能ロボティクス研究所, 研究員 (50332771)
港 隆史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50359858)
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研究概要 |
知的な情報システムを実現する方法には2つあり,人間のように,比較的数の少ないセンサと,脳が行うような高度な情報処理機能を組み合わせる方法と,ロボットだけでなく環境もセンサでくまなく覆い,目的達成のために必要な情報をより直接的に得る方法である.本研究では後者のアプローチにおいて,知的な情報処理システムを実現する. 具体的には,本研究とは独立に開発してきた知覚情報基盤プロトタイプ(多数のセンサからなる次世代のコンピュータネットワーク)を発展させ,これまでに開発してきた人間との対話を目的としたロボットを組み合わせることで,人間の行動に応じて知的に振舞う知的情報処理システムを実現する. 本年度は,知覚情報基盤の機能をさらに進歩させると共に,昨年度までに開発した人間酷似型ロボット(アンドロイド)と人間型ロボット(ヒューマノイド)と知覚情報基盤を組み合わせたシステムを完成させた. 知覚情報基盤の機能においては,特に聴覚機能と床面の触覚機能について研究を行った.聴覚機能の研究では,多数の分散配置されたマイクロフォンを用いた分散聴覚の研究枠組みを提案すると共に,その基本機能である,音源の位置決めと音源の向きの同定(発話中の人の顔の向き)に関するアルゴリズムを提案し,実験により実証した.床面の触覚機能については,床センサから得られる情報と,人の動作モデルを組み合わせ,人の行動を追跡する機能を実現した.今後,人間の行動に関するよりマクロなモデルを導入することにより,より正確かつ詳細な情報獲得を目指していく. 開発した知覚情報基盤の機能を,人間酷似型及び人間型ロボットと組み合わせ,それらロボットが人間に対して豊かに振る舞えるシステムを実現した.たとえば,人間酷似型ロボットとの組み合わせにおいては,ロボットは対話相手である人間の位置や振る舞いなどを知覚情報基盤からの情報を元に認識し,その認識結果に応じて対話内容を制御することができる.また,知覚情報基盤にID認識機能を持たせ,個人同定ができる状況において,人間型ロボットが人間の行動をどのように認識し,その認識結果をどのように利用できるかという問題についても,システム開発と実験を行った.
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