研究課題
基盤研究(A)
発話獲得機構の構成的解明に関しては、発話系の実体モデルについて、人間の生理的構造を模擬した人工声帯、および舌、顎、唇などの調音器官の3次元的形態と動きを模擬する3次元調音機構を構築し、人の発話動作をより忠実に再現できる発話系実体モデルを実現した.本実体モデルは、全19自由度を有し、独立動作可能な下顎・舌・口唇機構を全てリンク系で構築し、特に舌に関しては正中面上のみならず、横断面上での自由度を配置することにより、流音など舌の3次元調音形態を再現可能な構造とした.また、声帯部に関しても、ピッチ駆動機構を改良することにより、より広範囲なピッチレンジを実現できるようになった.発話系実体モデルに基づく発話獲得モデルに関しては、これまでの感覚フィードバックによる調音運動学習機構に加えて、喉頭部についても、様々な声の高さ、大きさ、声質で発声された音声からの聴覚フィードバック情報を基づいて実体モデルの喉頭(声帯)を調整する制御モデルを構築した.本制御モデルは、ニューラルネット順逆モデルに基づくフィードフォワード制御機構と発声音声の音響パラメータを用いたフィードバック制御機構によって構成し、多様な声帯音源を生成する上で頑健な制御機構を実現した.さらに、初期の音声獲得において重要な機能となる感性情報について、生理的機能が大きく関与する笑い声に焦点を当て、笑い声の音響的特徴と聴覚的特徴を明らかにするとともに、実体モデルに基づく笑い声の発声動作制御機構に関して検討を進めた.
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すべて 雑誌論文 (12件)
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