• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

ダイナミックな相互作用による多種感覚的認知の形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16200020
研究機関京都大学

研究代表者

乾 敏郎  京都大学, 情報学研究科, 教授 (30107015)

研究分担者 齋木 潤  京都大学, 人間・環境学研究科, 助教授 (60283470)
杉尾 武志  同志社大学, 文化情報学部, 講師 (60335205)
笹岡 貴史  京都大学, 情報学研究科, 助教 (60367456)
キーワード多種感覚 / 情報統合 / 到達把持運動 / 視覚 / 運動指令
研究概要

(乾)運動予測における自己運動と外部運動の神経基盤の違いを検討した.その結果,前補足運動野は自己,外部運動に依存しない視覚運動イメージ化に関連し,後部頭頂皮質における左IPL,右SPL/IPLがそれぞれ自己,外部運動の予測に関与することが示唆された.一方,到達把持運動制御におけるオンライン視覚の影響とともに,把持成分における一定の運動出力パタンを示した.また到達把持運動のパントマイムにおけるオンライン視覚の影響についてシミュレーションを行った結果,パントマイムと実物体への運動の把持制御には共通の機構が関与している可能性が示唆された.
(斎木)物体の変形を視覚と触覚により知覚する課題を行い,動的な感覚統合においては,感覚間の時間関係が統合の時間窓を規定する以上の重要な役割を果たし,更にその時間関係は知覚対象の性質により柔軟に変化するものであることが示された.また三次元物体の認知に関して同一感覚内では視点に依存的,独立的な表現を併用して三次元物体を表現しているが,異種感覚間では視点に独立的な表現を用いて三次元物体を表現していることが示唆された.
(杉尾)把持対象の位置および観察者に対する向きが,それぞれ独立に異なる時間特性で処理されることによって,運動が遂行されていることが明らかにされた.これらの実験結果は,脳内で位置に基づいた到達運動と物体の内在的特徴に基づいた把持運動が独立に処理されているとする視覚運動チャンネル仮説を支持している.
(笹岡)新奇物体の景観の変化を能動的に観察した場合,景観の変化を受動的に観察した場合より景観の般化成績が有意に向上する.本年度は,般化課題では観察時に用いた物体と同じカテゴリの新奇物体を用いることにより,能動的に回転したときに視点変換規則が学習され,般化に有効な情報を与えていることを示した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Neural correlates of state estimation in visually guided movements : an event-related fMRI study2007

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, K., Inui, T., Sugio, T
    • 雑誌名

      Cortex 43(3)

      ページ: 289-300

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 内省・直感過程に基づく身体化による認知2006

    • 著者名/発表者名
      乾 敏郎
    • 雑誌名

      神経心理学 22(1)

      ページ: 62-69

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The effect of viewing the moving limb and target object during the early phase of movement on the online control of grasping.2006

    • 著者名/発表者名
      Fukui, T., Inui, T.
    • 雑誌名

      Human Movement Science 25(3)

      ページ: 349-371

  • [雑誌論文] Visuomotor transformation process in goal-directed prehension : Utilization of online vision during preshaping phase of grasping.2006

    • 著者名/発表者名
      Fukui, T., Takemura, N., Inui, T.
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research 48(3)

      ページ: 188-203

  • [雑誌論文] Separating the brain regions involved in intenally guided and visual feedback control of moving effectors : an event-related fMRI study2006

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, K., Inui, T., Sugio, T.
    • 雑誌名

      NeuroImage 32(4)

      ページ: 1760-1770

  • [雑誌論文] Lateralization of posterior parietal cortex for internal monitoring of self-versus externally generated movements.

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, K., Inui, T
    • 雑誌名

      Journal of Cognitive Neuroscience (in press)

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi