研究課題
基盤研究(A)
マウスの経頭蓋的フラビン蛋白蛍光イメージングを用いて以下の研究成果を得た。1.一定の高さの音に幼若期より曝したときの聴覚野可塑性について解析した結果、曝した音と同一の周波数の音刺激に対する聴覚野応答が特異的に増強されていた。また動物を防音室で飼育すると聴覚野の反応が有意に小さくなった。皮質切片を作製し、フラビン蛋白蛍光法で解析した結果、皮質の深さ方向への興奮の伝搬が防音室で飼育したマウスで有意に抑えられることが判った。2.Missing fundamentals(F0)によると思われる聴覚野神経活動の画像化に成功した。簡単な整数比からなる振動数の音を同時に聞かせるとき、その最大公約数の音が(F0)聞こえる。20kHzと25kHzといった比較的高音を組み合わせて聞かせると、本来応ずるはずのない5kHzの領野が反応することを見つけた。ちなみに19kHzと26kHzのように、周波数比が単純でない場合はこのような現象は出現しない。さらにこの応答がどのような脳内機構で生ずるのか、解析を進めたところ、聴覚野に情報が達した後、皮質内経路によって高音側から低音側ヘシナプス入力が収束し、F0応答が生ずることが判った。3.単眼遮蔽によって引き起こされる視覚野の眼優位可塑性の研究は精力的に行われている。経頭蓋的フラビン蛋白蛍光イメージングで調べたところ、視覚野では単眼の遮蔽により、遮蔽眼の応答が弱まることが判った。4.マウスに光路変化をおこす片眼プリズムを装着させ、斜視と同じような視覚刺激による可塑的変化について解析したところ、プリズム装着眼の視覚野応答が抑圧されることが判った。ところが予めヒゲを切ったマウスにプリズムを装着させたところ、視覚野応答の抑圧は消失した。以上の結果から、空間認知におけるヒゲ入力と視覚入力が食い違うと視覚野応答が抑圧されるという可能性が示唆された。
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