研究概要 |
エチルニトロソウレア(ENU)誘発変異ラットから標的遺伝子をスクリーニングする方法によって、てんかん遺伝子変異ラットを作製する。ACI/NSlc, BN/SsNSlc, F344/NSlcの3系統に20mg/kg, 30mg/kg, 45mg/kgを、それぞれ雄に2回投与後、同系統の雌と交配して平均産子数を求めた。 その結果、最も効率的にENUミュータジェネシスを行うには、F344/NSlcに40mg/kgのENUを9週齢時と10週齢時に投与することが適当であると判断した。ENUによるてんかん遺伝子変異ラットの作製にあたって、12個のヒトてんかん関連遺伝子(LGI1,EPM1,EPM2,CHRNA4,CHRNB2,GABRA1,GABRG3,CLCN2,SCN1A, CACNB4,KCNQ2,KCNQ3)のラットホモログに対し、ラットゲノムシークエンス(Ensemb1)データベースからそれぞれの遺伝子の全エクソンを増幅するように152セットのPCRプライマーを作製した。それぞれのエクソンに対しエクソン・イントロン境界領域から20-100bp以内のイントロン領域にプライマーをデザインしており、合計50,119bpをスクリーニングしている。 また、スクリーニング方法としては、PCR産物のダイレクトシークエンスに加えて、より効率的な突然変異検出法を検討した。てんかん遺伝子存在領域の欠失変異ラットの作製には、クロラムブチル(CHL)を5mg/kg,10mg/kg,15mg/kgの3群に分けて、BN/SsNSlc雄ラットに投与した。 その後3,4,5,6,7週目に、Wistar/STラットと交配して、それぞれの平均産子数を求めた。その結果、CHLミュータジェネシスとして、CHL 5mg/kgを投与後5週目にF344/NSlcと交配することが適当であると判断した。
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