研究概要 |
本研究の目的は子どもの体力向上プログラムの実践的検証と,そのための運動,遊び,生活習慣改善に関する科学的根拠を総合的に解明することであった.以下の4課題に焦点を当てた. 課題a:基本的運動の動作成就の困難度から,基本運動における動作学習の階層的構造を解明する. 対象:小学生各男女100人,計200人. 測定:体育の学習指導要領に例示されている運動とスポーツの基本的運動の動作成就と体力特性を測定した. 課題b:体ほぐしの軽運動の動作成就と体力特性からバランスボールを用いた「子どもの体力向上のための軽運動プログラム」を作成する. 対象:基本運動の熟練者である体育専攻学生,各男女5人,計10人. 実験:バランスボール運動の動作成就と体力特性を測定した. 課題c:全国における運動遊びの系統的分類に基づいた運動遊びの運動特性,体力特性を調査し,体力向上のための運動遊び体系を解明する. 対象:抽出された対象校における児童生徒12,000人.全都道府県教育委員会. 調査1:課題dとともに運動遊び全国調査を準備した.地域と季節を考慮して調査時期を決定し,2年度に渡る.層化多段抽出により,小中高校の対象校を抽出した.調査系統は,都道府県教育委員会に依頼した. 調査2:主要な運動遊びの方法を調査した. 課題d:体力向上のための基本的生活習慣,内発的意欲,主体的態度,体力との関係を検証する. 対象:小学1年生から高校3年生までの児童生徒12,000人. 調査:課題cとともに全国調査を準備した.同一個人について,体力,生活習慣,運動・スポーツ活動の内発的意欲,主体的態度,達成満足感,自己認識などを調査した.層化多段抽出により,小中高校の対象校を抽出した.調査系統は,都道府県教育委員会に依頼した. 対象者の同意:大学生対象者には実験の主旨を説明し,被験者として研究に参加することの同意を得た.
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