研究課題/領域番号 |
16200044
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松生 勝 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80091841)
|
研究分担者 |
黒子 弘道 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20221228)
|
キーワード | ゲルー結晶化法 / ナノテク繊維 / アパレル素材 / ポリビニルアルコール / キトサン / カーボンナノチューブ / ポリアクリロニトリル / 炭素化 |
研究概要 |
本研究は、ゲルー結晶化法を用いて、ナノテク繊維の開発とアパレル素材への応用を目的とし、以下のテーマについて開発研究及び基礎研究を遂行した。 1)肌着の場合、布を構成する高分子材料は親水性でなくてはならない。肌着として最もよく用いられているのは綿で、これの主成分はセルロースである。しかしセルロース繊維は衛生的で肌にも優しいが、女性用の肌着としては審美性に欠けることは否めないばかりか、皮膚荒れ(アトピー症状)のひどい患者や老人のオムツカバーにはなじまない。この問題を解決するには、皮膚の組成と大きく違わないゼラチン物質をポリビニルアルコールとブレンドし、肌に優しい繊維の開発を行うことを試みたが、相分離が顕著でうまくいかなかった。次年度の課題である。そこでまず第一段階として、ポリビニルアルコールとキトサンをブレンドし、得られたフイルムを延伸し、まず抗菌性があり、かつ親水性である素材の開発を試みた。その結果、2つの高分子は非晶状態では分子鎖の相溶性があることが判明した。また延伸によりキトサンが表面に多く現れることも判明した。現在繊維化の実験を試みている。 2)カーボンナノチューブのニッケルメッキを試みたが、うまくいかなかった。そこで、まずポリアクリロニトリルにカーボンナノチューブを混合することを試みた。残念ながら試料は黒色になったが、力学特性は著しく向上した。また、この素材を用いて炭素化を行なうと、従来の炭素化温度よりも低い温度で炭素材料が作成できることが判明した。 なお、1)については研究成果の公表準備中であり、2)の一部は論文として公表した。
|