研究課題/領域番号 |
16200044
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松生 勝 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80091841)
|
研究分担者 |
黒子 弘道 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20221228)
|
キーワード | 炭素繊維 / アパレル繊維 / グラファイト化 / エネルギー消費 / ポリイミド / MWNT / 分散 / ゲル-結晶化 |
研究概要 |
炭素繊維や炭素材料の作成はアパレル繊維の開発や航空機や自動車のフレーム構造に用いられ、製品としての需要がますます増加するものと考えられる。しかし、グラファイト化には3000℃の高温で熱処理することが必要である。これは大変なエネルギーの消費であり、エネルギー節約が叫ばれる21世紀においては改善が試みられる。 2000℃低温でグラファイト微粒子を作成する研究にっいては幾つかの報告があるが、板状材料が開発されたという報告はない。本研究では、三層構造を持つポリイミドの中間層にニッケル微粒子を混入し、この三層のポリイミドを加熱していくと、1600℃で、グラファイトが進行することが見いだされた。この方法はエネルギー消費を抑えるグラファイト板の作成に有効であることを物語っている。 MWNTの存在下で、ポリイミドを合成すると、MWNTの分散性が極めて向上することが見いだされた。これは溶媒や熱で熔解しない高分子と機能性微粒子との複合材料を作成するうえで極めて有効な成果である。この手法は機能性微粒子や炭素フィラーの高分子マトリックスへの分散性を上げるために、混練り方やゲルー結晶化法に変わる方法として期待されるが、問題は作成された複合材料の延伸性に乏しいことが問題である。
|