研究概要 |
1.既存のパネルデータの解析と公表 本研究の課題である生涯現役の意義と生涯現役の条件の解明という視点から、パネルデータを再解析した。具体的には、ボランティア、家事・介護といった無償労働が高齢者に与える影響および無償労働の継続に関連する要因については杉原が、就労継続、中断、引退が高齢者の心身の健康、家庭生活、地域生活に与える影響については杉澤が担当して分析した。 2.第4回パネル調査の実施とデータベースの作成 平成17年10月に第4回パネル調査を実施した。これまでの3回にわたるパネル調査の中で強硬な拒否者を除く対象者に対して調査を実施した。さらに、今回のパネル調査から、対象者の加齢に伴い健康上の理由から未回収になる可能性が高くなることを想定し、健康上の理由で調査に応じられない人に対しては、家族など対象者の状態をよく知っている人を対象に「代行調査」を実施した。さらに、回収率を維持するために、第4回パネル調査において未回収者のうち、不在・体調不良などで未回収であった者に対し、平成18年1月に追跡調査を実施した。以上の結果、回収数は2,603、代行は65であり、代行加えた回収数は2,668人であった。回収率(代行をくわえた場合)は第1回パネル調査の完了者対比では67.1%であった。調査票の点検、入力などパネル調査のデータベース化を完了した。 3.4回のパネルデータの解析 (1)就労、ボランティア、家事・介護などのプロダクティブな活動が心身の健康に与える影響について、その因果メカニズムも含めて解析した。(2)ボランティア活動や奉仕活動の維持・促進要因を階層、地域、就労などとの関連で解明した。(3)就労に関しては、就労継続・転職・再就職の推進・阻害要因を、就労推進策、階層、職業観、経済、健康の面から多角的に解明した。(4)失業、定年退職が心身の健康に与える影響について解明した。
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