研究分担者 |
植松 光夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60203478)
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 准教授 (50260518)
小畑 元 東京大学, 海洋研究所, 准教授 (90334309)
武田 重信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (20334328)
小針 統 鹿児島大学, 水産学部, 助教 (60336328)
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研究概要 |
海洋の一次生産は窒素の供給によって制限されているのが一般的であるが,夏季においても硝酸塩が余りクロロフィル濃度が低いHNLC海域と呼ばれる海域が,南太洋,赤道湧昇域,亜寒帯太平洋に存在する。この要因として微量栄養素である鉄が制限要因となっていることが指摘され,この仮説の検証および,大気中二酸化炭素削減手法としての海洋鉄散布の技術開発・検証を目的として,各HNLC海域で,中規模鉄散布実験が1993年以来行われてきた。北太平洋においては,SEEDS, SERIES,SEEDS IIの3回の実験が行われ,本補助金においては,SEEDS IIの実施,SEEDSおよびSERIESの詳細解析と,取りまとめを主な研究目的として行った。さらに,亜熱帯海域における鉄・栄養塩添加実験を想定し,亜熱帯海域において予備的培養実験を行った。本年度は3回の実験の総合的なとりまとめを行うとともに,データのホームページ上での公開,PICES年次大会におけるIFEP会議における取りまとめ,Ocean Science Meetingにおける発表などを通して,結果の公表を図るとともに,SEEDS IIの成果をまとめた特集号をDeep-Sea Research II誌において編集し,20報の原稿が集まり,今年度中に発行予定である。さらに,亜熱帯西部海域での白鳳丸航海に乗船し,船上培養実験を行った。その結果,深層水と表層水を混ぜた実験区画では大型の珪藻が増殖し,亜寒帯での鉄添加と似た応答を示すことが明らかになり,珪藻のもつ生態学的意義や生活史戦略を考える上で重要な知見を得ることができた。
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