研究課題/領域番号 |
16201009
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
土屋 誠 琉球大学, 理学部, 教授 (40108460)
|
研究分担者 |
萩原 秋男 琉球大学, 理学部, 教授 (90126889)
伊澤 雅子 琉球大学, 理学部, 教授 (10192478)
渡久山 章 琉球大学, 理学部, 教授 (50045001)
前門 晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
藤田 陽子 琉球大学, 法文学部, 准教授 (70315456)
|
キーワード | 生態系機能 / サンゴ礁 / マングローブ / 赤土 / 生物多様性 / 生態系管理 / 亜熱帯常緑広葉樹林 / 生態系評価 |
研究概要 |
・沖縄の多様な生態系の機能に対する人間活動の影響を評価した。 ・マングローブ生態系、サンゴ礁生態系、海草生態系などのつながりを魚類群集を対象に調査した結果、地理的に異なる場所であっても基本的には類似した種組成が認められ、生態系機能が維持されているが、人間活動の多い場所では欠落する種の存在し、生態系機能の変化が出ていることが示唆された。 ・亜熱帯常緑広葉樹林の高い樹木種多様性はこの薄い最下層の樹木によって支えられているので現在行なわれている下層樹木を伐採する森林管理法は見直されるべきである。 ・イリオモテヤマネコは、人為的環境変化とともに、道路および交通量の増加が本種の生態に大きな影響を与えていることが明らかになった。また、クビワオオコウモリの移動パターンと食性の解析から、本種が人為的植栽木に強く依存しており、それが本種の都市部への進出を促していることが明らかになった。 ・河川水に赤土が流入すると、炭酸カルシウムの溶解度は大きく増加することが明らかとなり、人間活動の影響で赤土が流入した際の河川やサンゴ礁海の生物に対する影響のメカニズムが示唆された。 ・段丘面上の津波石、巨礫の下に形成される台座岩から、その形成条件と石灰岩の溶解速度を人間活動との関連で調査し、台座岩が形成される条件は、人間活動の有無に関わらず津波石、巨礫定着時に地表面が土壌におおわれていないことが重要であることが判明した。 ・サンゴ礁の「防波堤機能」の経済価値を「代替法」を用いて推定した結果,年間832億7336万9,590円(割引率5%の場合)という評価額が得られた。また,サンゴ礁の観光資源としての位置付けとその保全に対する意識観光客の保全意識は相対的に高費用負担を含む具体的な対策に自ら関わろうとする意識は相対的に低い ・人間と環境の関わりにおいて、「生物多様性」、「自然の内在的価値」について、環境哲学的観点から根拠づける基本的な視座を得た。
|