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2007 年度 実績報告書

活性酸素による種々のDNA損傷に対するin vivo細胞応答の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16201010
研究機関東北大学

研究代表者

安井 明  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)

研究分担者 高尾 雅  東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70216612)
中嶋 敏  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00375114)
キーワード活性酸素 / DNA損傷 / DNA修復 / 可視化解析 / 癌化 / 老化 / プロテオミクス / APエンドヌクレアーゼ
研究概要

塩基の喪失はAPサイトと呼ばれる活性酸素で生じる最も頻繁なしかも修復されないと細胞死や突然変異を産み出す損傷である。ヒト細胞では、これまでAPサイトはAPE1という蛋白が唯一存在していると思われて来た。我々は昨年、データベースサーチで、リン酸化ペプチドに結合するFHAドメインを持つ新規の蛋旨白質を発見し、PALFと命名した。PALFにはサイトのみならず種々の活性酸素による損傷塩基の5'側にニックを入れる活性があり、さらに5'側に切って行くエキソヌクレアーゼの強い活性が見つかった。哺乳動物を含む高等動物に広く分布していて、ヒトでの第2番目のAPエンドヌクレアーゼである事が分った。この遺伝子のノックダウンを行なうとヒト細胞はMMSに感受性になり、この蛋白質が修復に働いている事が証明された。PALFの基質としてAPサイト以外のピリミジン塩基損傷の5'側にニックを入れ同時に3'->5'エキソヌクレアーゼを働かせてギャップを作り、PALFに結合するポリADPリボースポリメラーゼ(PARP1)を活性化して自身や周辺の蛋白質をポリADPリボシル化し種々の修復蛋白質をリクルートする事により損傷が修復される。この修復は、最も発生頻度の高い活性酸素による単鎖切断の修復に対する場合にもあてはまり、クラシックな塩基除去修復とは異なる修復経路である。PALFはさらに二重鎖切断のNHEJに関わるKUやXRCC4/LIGASE4とも結合し、切断端をその絵基礎ヌクレアーゼの活性できれいにすることが分った。今年度はさらに、もう一つのヒト由来のAPエンドヌクレアーゼの活性を持つ新規蛋白質を発見した。この蛋白質も3'->5'エキソヌクレアーゼ活性を持ちPARP1と結合する能力を持つ。これらの蛋白質の生物学的、医学的意義について現在研究を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HMGB1 is a co-factor in mammalian base excision repair2007

    • 著者名/発表者名
      Prasad, R., Kanno, S, , Yasui, A.
    • 雑誌名

      Mol Cell 27

      ページ: 829-841

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Werner syndrome protein interacts functionally with translesion DNA synthesis.2007

    • 著者名/発表者名
      Kamath-Loeb, A. S., Yasui, A., 他
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104

      ページ: 10394-10399

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel human AP endonuclease with conserved zinc-finger-like motifs involved in DNA strand break responses2007

    • 著者名/発表者名
      Kanno, S. Yasui, A., 他
    • 雑誌名

      EMBO J. 26

      ページ: 2094-2103

    • 査読あり
  • [学会発表] DNA修復を組織するマッチメーカー蛋白の動態と修復プロセスの可視化解析2007

    • 著者名/発表者名
      安井 明
    • 学会等名
      第7回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2007-05-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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