研究分担者 |
本行 忠志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90271569)
中島 裕夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20237275)
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20273691)
藤川 和男 近畿大学, 理工学部, 教授 (90247958)
足立 成基 (独)医薬基盤研究所, 特任研究員 (60379261)
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研究概要 |
1.ヒト臓器・組織置換マウスの作製と維持: IgG、IgM値が検出限度以下のC57BL/6J-scid等を大量生産し、ヒト甲状腺、骨髄、肺、胎芽組織片等の長期継代維持を行った。 2.核分裂放射能の影響: (1)近畿大学原子力研究所原子炉UTR-KINKI(熱出力;1W,炉心分の熱中性子;最大10^7n/cm^2・sec程度)を用い、照射SCIDマウス体内での正確な中性子線、ガンマ線被曝線量を得た。 (2)ヒト甲状腺、肺組織を移植したSCIDマウスに中性子線1回0.2Gyの照射を7日毎に6回および4回繰り返した。ヒト甲状腺、肺組織ともに、ρ53,K-ras, c-kit,β-catenin、RET、bak、BRAF遺伝子の変異は得られていない(γ線11-33Gy急照射では、20例中8個のP53,c-kitの突然変異が有意に発生したが、緩照射では0であった)。また、GeneChipを用いた遺伝子発現異常の解析(8,500遺伝子)をヒト甲状腺とヒト肺組織において4回照射1週間後に行ったところ、甲状腺で59.7、肺では11.5個の遺伝子で4倍以上の変化がみられた。 3.放射性ヨード(^<131>I)の影響:0.5MBq/マウスのI-131投与を週1回繰り返した。37週以上群で18例中6個の突然変異が誘発された(p53,β-catenin)。0.06〜0.5MBq/マウス1回投与でも25-51.5個の遣伝子発現異常がみられ、強い影響を確認できた。 4.チェルノブイリ核施設崩壊事故被曝者にWT1遺伝子の発現異常が有意に検出された。白血病発生のとの関連が2例にみられた。被曝者F_1のマイクロサテライト変異の調査も行った。 5.放射線障害防護実験:ガンマ線による発生異常、白血病に対し、担子菌菌子体由来物質の有意な予防効果をみつけた。 以上、当初計画どおりの成果を得た。
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