1.サンゴ着床具と運用法の開発 平成16年度に開発した樹脂成型ケース収納式着床具をステンレス架台に配置し、平成18年5月の石西礁湖でのサンゴの一斉産卵直前に海域に設置した。礁湖内のサンゴ群集は従来すべて死滅過程にあると考えていたが、北側リーフでは自然再生が起きているとの知見が得られたため、そこでサンゴ幼生を着生させ、約1.5ヶ月後に礁湖中央南部に移設して稚サンゴまで育成する手法を試みた。 2.幼生の生残過程の研究 石西礁湖でサンゴ再生実験と生残過程の追跡のため2ケ所の定点に実験区9ヶ所(各100平方メートル)を設定した。継続潜水調査で詳細なマッピングを行い、サンゴ群集構造の変化、競合生物、外敵生物の詳細な調査を行った。、また前年5月に一斉産卵で生まれてリーフに着生したサンゴを1年目の視認サイズから個体追跡した。1歳から2歳になるまでに7-8割が死亡する結果を得た。 3.白化が進行するなかでのサンゴ群集構造の変化についての研究 石西礁湖全域のサンゴ礁の変動把握のため、全域に配置した26ケ所の定点でモニタリング調査を行った。結果をデータベース化するとともに、群集構造解析や被度解析等を行った。また、稚サンゴの分布密度も計測し、新規加入数のデータとして、サンゴの分布や地形との関わりを調べた。その結果、北側リーフで自然再生中のサンゴの再生過程を明らかにすることができた。 4.サンゴ群集の健康度評価 石西礁湖に優先するサンゴ種を選定し、クロロフィル蛍光装置を用い、光合成収率を計測することによって健康度の評価と計測を行った。その結果、最も健康な状態での収率を求めることができた。
|