研究課題
基盤研究(A)
本研究で得られた主な成果の概要を以下にまとめて示す。(1)触媒気相(CCVD)法による様々なCNTの成長機構の解明を目指して、2層カーボンナノチューブ(DWCNT)の生成を行い、選択的にDWCNTを高純度で生成する方法を開発した。特にDWCNTの効率的な生成にはサポート触媒が必要であり、それがDWCNTの生成機構に関係していることを明らかとした。(2)DWCNTの選択生成を検討した。生成温度が850℃程度ではDWCNTの内径の分布が0.8nm程度で非常に直径分布が狭く、また950℃では外径1nm以上のDWCNTと共に3層以上のCNTも生成されることが分かった。(3)DWCNTは2000℃以上の高温熱処理を施すことで外層同士が融合する新現象を見出した。(4)高純度DWCNTのバルク特性を単層CNT(SWCNT)と比較検討した。SWCNTは酸化温度が約400℃であり、DWCNTは600℃程度と約200℃も耐酸化に優れていることが分かった。一方、DWCNTは、SWCNTよりも直径1nm以下のポアを多く含み、独自のよく整ったナノ空間を有していることを明らかとした。(5)DWCNTは高温で融合するが、DWCNTにBをドープすることにより、より低温(約1500℃)で融合させることに成功した。また分子動力学計算を用いて、B原子の振舞いや融合現象への寄与を解明した。(6)炭素源のメタンにSを添加してチューブ径や層数への影響を検討した。メタンのみではDWCNTが支配的に成長したが、S添加の場合は多層CNTが支配的となった。この知見はS添加量を最適化することで、CNTの層数を制御できる可能性を示した。(7)DWCNTの表面構造制御を目的にフッ素化を試みた。DWCNTは400℃で内層までフッ素化されることが分かった。また熱処理による脱フッ素化によりDWCNT外層がエッチングされ、その度合いはフッ素化条件により制御でき、また外層のみ選択的にフッ素化できることを示した。本法は構造制御に有用な手法であることが結論された。
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