研究課題/領域番号 |
16201027
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江刺 正喜 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20108468)
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研究分担者 |
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
田中 秀治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00312611)
戸津 健太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60374956)
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キーワード | マイクロマシニング / マイクロマシン / 無線 / MEMS / センサ / アクチュエータ / リレー / 振動子 |
研究概要 |
半導体集積回路の製作技術を発展させた微細加工であるマイクロマシニングによって、シリコン基板上に立体的な微細構造体や動く微細構造体などを製作できる。この技術でワイヤレス機器などに用いる高周波部品を製作する研究はRFMEMS (Radio Frequency Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれている。これによりスイッチ(リレー)や可変キャパシタなどの可動部品、高周波フィルタなどの機械的共振子、薄膜で支持されて損失や寄生容量の少ない高周波配線などを実現することができる。 高抵抗シリコン基板上のマイクロ波回路やミリ波回路をウェハレベルで一括封止するパッケージングに関する研究を行い、損失や反射を最小限にしたパッケージング技術を確立した。 高周波MEMSデバイスとして、コイル、機械的共振子、接点型直列スイッチ、可変容量型並列スイッチを開発した。コイルは特にアスペクト比を10程度に大きくして抵抗を小さくした平面コイルを製作した。これは1.6GHzでQは85に達し、微小試料を対象とする核磁気共鳴に応用することができた。 機械的共振子は、周波数を高くすると小形になり、そのために微量なガスの吸着などで共振周波数が変化し易くなる。このためシリコン結晶内部の真空空洞に振動子を埋め込んだ安定度の高い振動子とした。 電気接点を持つ直列スイッチとして、静電駆動で2次元的配列したものを開発した。これはフレキシブル基板上に製作し、フラットパネルディスプレイの駆動制御に適用した。また配線・接地間の静電容量を静電駆動で変化させる並列スイッチも開発した。これは特に10GHz以上の高い周波数に適用するものである。 この他、小さな片持ち梁の共振周波数変化を用いて、微小な力を高感度に検出する振動型センサの研究を行っており、これには微小な容量変化を検出するためGHz帯の高周波回路を必要とするためその研究を行っている。またセンサネットワークの目的で表面弾性波(SAW)素子を用いた、パッシブワイヤレスセンサの開発を行って動作を確認しており、その製造技術やパッケージング技術に関する研究については、成果を投稿中である。
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