研究課題/領域番号 |
16201031
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
庄子 習一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00171017)
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研究分担者 |
船津 高志 東京大学, 大学院薬学研究院, 教授 (00190124)
本間 敬之 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (80238823)
荒川 貴博 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50409637)
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キーワード | マイクロ流体システム / マイクロ化学システム / MEMS / マイクロ流体素子 / 生体分子ソータ / サンプルインジェクタ / ガラス微細構造 / シースフロー |
研究概要 |
生体サンプルの抽出・前処理にMEMSおよびナノテクノロジー技術を適用し,トータルシステムとしての機能を飛躍的に改善することを目的として研究を行ってきた。最終年度である本年度は前年度までの要素技術の基礎研究をさらにブラッシュアップするとともに,目的とする実用的な前処理システムとして必要となる要素を抽出し、検討を進めた。 細胞を培養し微量薬物導入による細胞の変化をリアルタイム観察するマイクロセルに関しては、マイクロメッシュ構造を導入することにより特定の細胞コロニーにスポット的に薬物を導入することが可能となった。また、ハイスループット細胞操作を目的としてマイkルオセルのマルチ化を行い、各セルに細胞を導入するマイクロ流体機構を実現した。 生体物質の分離・抽出用マイクロ機構については、サンプル流の両側をキャリア流ではさむ形のシースフローを取り入れることにより、ゾル・ゲル相転移に伴う微小領域の僅かな粘度変化を利用してソーティング可能なデバイスを新規に開発した。さらに、入力部分に3次元的なシースフローを取り入れることによりサンプル流を底面に絞ることで、検出から分離まで5ミリ秒以内で行える高速ソーティングを実現し、ソーティングエラーも大幅に減少させた。また、多数の生体分子の同時並列処理を実現するため、入力部分から導入したサンプル流とバッファ流を16並列32流路に分岐させて同時並列分離処理を行い、回収と廃棄の2つの出力にソートする3次元積層流体デバイスを開発した。 DNAやタンパク質等の生体分子を油相に包んで、流体システム中で安定に搬送することを可能にする油相マイクロカプセルとして、空気/油相/水相の新しい3層のマイクロカプセルの生成デバイスの開発を行った。この結果、油相の流量を制御することでカプセルの大きさを保ったまま油膜の体積を200pLまで微量化することに成功した。
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