研究分担者 |
白井 正明 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50359668)
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70143550)
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10107451)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60191368)
村山 雅史 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 助教授 (50261350)
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研究概要 |
1.「かいよう」KYO4-11航海:2004年9月5日から10月2日まで,南海トラフにおいて自航式深海底サンプル採取システム(以下NSS)を用いたピストンコア採泥・地殼熱流量測定・ニスキン採水を実施した.泥火山では,事前に海底音響画像上で異なる噴出時期を示唆する3地点において採泥を行ない,最新の噴出エリアがメタンを最も多く含むことが判明した.また,噴出にともなう陥没・崩壊地形を確認した.メタンの炭素同位体は熱分解起源を示す.熊野沖付加プリズム上部斜面では,順序外スラストによって形成された崖下の狭い海盆において柱状試料の採取に成功した.断層に沿った化学合成生物群集が広く観察され最近の断層活動を示唆する.試料には複数枚の粗粒堆積物(イベント堆積層)が含まれ,予察的な炭素年代測定では千年間隔であることが分かった.本航海中の2004年9月5日には,マグニチュード7.4の地震が紀伊半島南東沖で発生した.約2週間後に震源域付近においてNSSを用いた試料採取と熱流量測定を実施した.採取された柱状試料は海水を非常に多く含んだ軟泥からなった.NSSの水中カメラには,震源域の海底付近(海底面より200m)が著しく懸濁している様子が観察され,地震によって引き起こされた地すべりやタービダイトによる懸濁物が原因であると解釈された. 2.その他の航海:「淡青丸」KTO4-12(6/24-/3)では,熊野沖泥火山における3次元地下構造探査を実施した.予察的な解析の結果,泥火山周辺におけるBSRの連続と海底下構造が明らかになった.NSSによる採泥結果と合わせることにより,断層運動と泥火山の活動の関係を解明できるものと考える.「淡青丸」KTO4-27(11/13-22)では,東海沖にて通常タイプのピストンコアを用いた採泥を実施し,イベント堆積物の分布および発生間隔の研究用試料を採取した.
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