研究概要 |
本年度は平成19年度終了予定の研究を繰り越した年度である.これは,開発された確率モデルと数値解析手法の妥当性を実証するために行った繰越である.平成19年9月に,近畿大学沖中講師が,超高速CCDカメラを使って破壊現象のばらつきと応力分布を計測する実験である.確率モデルと数値解析手法の妥当性を実証するには,この高速光弾性実験との比較が望ましく,この比較を行った. 沖中講師の実験は,平行亀裂を入れたエポキシ樹脂性の板材である.亀裂の位置と長さを様々変えて供試体を作成している.光弾性による応力フリンジが計測され,破壊に伴う応力場を調べることができる.供試体に対応した確率モデルを作成し,破壊と応力場を計算し,実験結果と包括的な比較をした.十分な精度とは断言できないところもあるが,定性的には確率モデルの数値計算結果は実験結果を再現していることが確認された. 列島に対して構築された確率モデルとその解析手法に対し,間接的にではあるが,その有効性を検証することができたと考えている.
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