研究課題/領域番号 |
16201042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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研究分担者 |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50327673)
鷲尾 尊規 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 研究員(科学技術振興) (50338266)
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キーワード | 選択的スプライシング / 疾患遺伝子 / プロテオーム / In vitro virus法 / タンパク質間相互作用 / 遺伝子ネットワーク / バイオインフォマティクス / ハイスループットスクリーニング |
研究概要 |
1.スプライスバリアント情報の収集 選択的スプライシングが疾患に関連すると考えられる遺伝子の抽出を行った。ASDB(database of alternatively spliced genes)から選択的スプライシングによって複数のタンパク質が発現している遺伝子を抽出した。一方、OMIM(Online Mendelian Inheritance in Man)から癌、アルツハイマーなどの疾患に関連する遺伝子を抽出した。これら両方に含まれる候補遺伝子1088個の中から、さらに以下のような条件で候補遺伝子の絞込みを行った。タンパク質間相互作用に変化をおこす選択的スプライスバリアントを抽出するため、モチーフ領域がバリアントエクソンに重なる遺伝子を対象とした。また、Entrez Geneでタンパク質の機能がある程度わかっており、タンパク質間相互作用が何らかの形で検証されている遺伝子を対象とした。さらに、完全長cDNAのクローンが商業的・学術的を問わず入手可能であり、IVV法のベイトとして利用できるものを対象とした。今後、このようにして絞り込んだ候補遺伝子をベイトとして、スクリーニングを行う準備が整った。 2.IVV法のハイスループット・スクリーニングシステムの構築 IVV法での96ベイト並列スクリーニングを実現するために、アフィニティー精製についての自動化検討を行った。アフィニティー精製において遠心分離を行う「遠心分離法」とカラムを用いてビーズとバッファーを分離する「カラム法」の2つの方法について検討した。その結果、カラムを用いた精製では再現性の良い精製結果は得られなかったが、遠心分離法では、これまで用いていた1.7mlチューブで行っていた結果と同様の結果(100倍の濃縮率)を96穴プレートで再現良く確認することが出来た。またウエル間の濃縮率のバラツキなども手動によるバラツキと変わらないことがわかった。この結果を受けて、遠心分離法によるIVV法での96ベイト並列スクリーニングを、QIAGEN Biorobot8000を用いて進める方針を固め、現在までに、洗浄におけるバッファーの量、ピペッティング、遠心分離の回転数など種々の条件を検討し、再現性と最適化に成功している。
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