研究課題/領域番号 |
16201042
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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研究分担者 |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50327673)
鷲尾 尊規 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 研究員(科学技術振興) (50338266)
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キーワード | 選択的スプライシング / 疾患遺伝子 / プロテオーム / In vitro virus法 / 蛋白質間相互作用 / 遺伝子ネットワーク / バイオインフォマティクス / ハイスループットスクリーニング |
研究概要 |
1.IVV法のハイスループット・スクリーニングシステムの構築 IVV法を用いた並列セレクションによりタンパク質相互作用解析を効率的に行うためのシステムを確立し、これまでマニュアルで6ヶ月かかっていた工程を、96個のタンパク質を並列に準備できるロボットにより、2ヶ月で完了できるようになった。並列セレクションで大量に算出されるデータの解析処理速度も1000seq/dayから16000seq/dayへ向上させた。プレ実験で、6ベイトについての並列セレクションによるタンパク質間相互作用解析の結果、約120相互作用が得られた。また、以前にTAP法を用いて酵母で解析された複合体とホモロジーを持つヒトの複合体もいくつか検出された。IVV法は、1:多の解析が可能なため、他の類似の相互作用解析法と比較して一度に解析できる相互作用数が多いこと、かつ、複合体を解析できることが示された。また、ロボットでのベイトタンパク質作製は、約7割の高い発現効率を示し、IVV法が完全にin vitroで行う方法であるため、細胞毒性などがなく、ベイト蛋白質の発現に有利であることが示された。 2.スプライスバリアント情報の収集および解析 IVVのプレ実験(6ベイト;5千シーケンス)データの中から、スプライス・バリアントをもった遺伝子の抽出を試みた。IVVデータのクラスタリング、スプライス・バリアントのデータベースの選択、IVVデータとスプライス・バリアントのマッチング、抽出基準の調整などの解析を行い、タンパク質間相互作用部位がスプライス・バリアントによって変化している遺伝子を20前後抽出することができた。この過程で、複数のスプライス・バリアントデータベースの統合、IVVデータとスプライス・バリアントのマッチング工程の半自動化、抽出された候補遺伝子の画像化、などを行い、現在、さらにより大量のデータへの対応を行っている。18年度は、大規模実験データ(3-4万シーケンス)を用いてスプライス・バリアント解析を行っていく。
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