研究課題/領域番号 |
16201042
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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研究分担者 |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50327673)
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キーワード | 選択的スプライシング / 疾患遺伝子 / プロテオーム / In vitro virus法 / タンパク質間相互作用 / 遺伝子ネットワーク / バイオインフォマティクス / ハイスループットスクリーニング |
研究概要 |
本研究の目的は我が国独自のプロテオーム解析技術であるin vitro virus(IVV)法を用いて、特に、選択的スプライシングとさまざまな疾患との関連を分子レベルで迅速かつ体系的に解明するためのハイスループットなシステムを確立することである。具体的には、(1)スプライス・バリアント情報の収集、(2)IVV法のハイスループット・スクリーニングシステムの構築、(3)ハイスループットIVVシステムによるスプライシング関連遺伝子の大規模ネットワーク解析、(4)タンパク質C末端蛍光ラベル化法による相互作用データの検証、(5)相互作用データベース構築と疾患の分子機序の解析、という5つのプロセスにより構成される。前年度までの3年間に、(1)〜(4)までをほぼ完了し、(5)についても相互作用データの一部はWeb上に公開している。 最終年度である本年度は、前年度までに確立したハイスループット・システムや、今回新たに開発したIVV法とマイクロアレイを組み合わせた高感度な相互作用の検出手法を用いて、さらに相互作用データを蓄積し、データベースを拡充した。また、IVV法によって決定された相互作用領域情報に加えて、タンパク質複合体の結晶構造から算出される接触面情報、文献から抽出した相互作用領域情報、選択的スプライシングおよびSNPに由来する可変領域、遺伝子が発現する組織に関する情報などが統合され、さらに条件付き検索機能を付加した新しいデータベースを開発した。これにより、複合体の組織・時期特異性や同時結合性など(デートハブとパーティーハブ)が検討可能となるとともに、選択的スプライシングによる翻訳産物の変化が遺伝子ネットワークの変化にどのように関わっているか解析することが可能となった。
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