研究課題/領域番号 |
16201043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
西川 建 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 教授 (10093288)
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研究分担者 |
金城 玲 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 助手 (30370117)
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キーワード | モデリング / 分子動力学シミュレーション / 構造サンプリング / マルチカノニカル法 / 力場 / 統計ポテンシャル / タンパク質 |
研究概要 |
タンパク質の高精度モデリングを実現するためには、解決すべき大きな課題が2つある。1つは、エネルギー計算に用いる力場(エネルギー関数)の問題であり、もう1つは、「構造サンプリング」と呼ばれ、タンパク質の超多次元の構造空間を如何に効率よく探索できるか、という問題である。第1の力場に関しては、真空中の既存の力場(AMBER)に水和エネルギー項(OONS近似)を加えて全エネルギーとし、さらに予備研究段階で開発した主鎖二面角統計ポテンシャルをAMBERを一部改変する形で導入した。第2の構造サンプリング問題に対しては、予備研究段階で用いたレプリカ交換MDシミュレーション法に加え、従来のマルチカノニカル法を発展させたWang-Landau法をMD(分子動力学)に拡張した新しいWang-Landau-MDシミュレーション法を考案し、その開発に注力した。この方法はシミュレーションを行いながら重み因子を自動的に計算するため、従来のマルチカノニカル法の難点であった重み因子の決定が容易になり、これまでより高速な構造空間探索が可能になる。現在、理論的検討とプログラミングを終えて、サイズの小さいタンパク質(Trp-Cage)を対象にテストに取りかかったところである。従来法のカノニカルMDと比較することにより、本方法の優れていることを示したい。また、本研究課題はタンパク質の構造予測と密接に関連するため、上記の研究と並行して、二次構造予測、コンタクト数予測などの方法論の開発を行った。その成果を数編の論文にまとめて発表した。
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