研究課題/領域番号 |
16201047
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源保全学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
笹沼 恒男 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (70347350)
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研究分担者 |
三浦 秀穂 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10173981)
河原 太八 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20115827)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 教授 (40161096)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | コムギ / エギロプス / 在来品種 / 遺伝的多様性 / ジェノタイピング / 出穂性 / 種子休眠性 |
研究概要 |
コムギ類遺伝資源の遺伝的多様性評価とDNA指標によるジェノタイピングを行った。 農業の近代化によって、灌概、化学肥料、機械化に適応した多収のコムギ近代品種が生まれ現在の世界食糧生産を支えているが、結果として遺伝的多様性が失われ、生産性の限界、また、来るべき環境変化に対する脆弱性が懸念されている。野生種および在来品種(近代化される前に地域で栽培されていた地方品種)の持つ広い遺伝的多様性を評価して活用することが重視されている。また、野生種、在来種の遺伝的評価方法の確立、多様性の生じた過程の進化遺伝学的研究も興味を引くところである。 コムギ類には野生種(二倍性、四倍性野生コムギおよびエギロプス属)および栽培種があり、中東地域が起原地と考えられている。栽培コムギは起源地から東西に伝播して、様々な環境に適応した分化し、在来品種が形成されてきた。日本では、先達研究者の努力もあり、これ等の野生種・在来品種が収集されてきた。本研究はこれらコムギ類遺伝資源の保存と系統分化・系統進化に携わってきた研究者の共同研究であり、栽培種600余、野生種700余の遺伝資源系統が対象として調査され、以下のような研究成果が得られた。 1.系統の基本形態形質、出穂性、耐塩性、種子休眠性の評価(記載)がなされた。栽培種、在来品種とも大きな遺伝的変異を示した。 2.DNAマーカーおよびAFLP解析に基づくコアコレクション(集団全体の多様性をカバーする代表系統)の保存方法が提示された。 3.従来の認識と異なり、コムギ類の倍数化及び栽培化過程での多起源性が証明された。 4.DNAマーカーによる出穂性、種子休眠性の関連遺伝子、遺伝子座が同定され、系統間での差異が見つかった。これ等のマーカーによる品種同定、伝播の道筋、品種選抜が可能となった。 5.これ等の系統、データはNBRPデータベースに登録され、広く活用することが可能となった。
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