研究課題/領域番号 |
16201050
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
坂内 徳明 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 教授 (00126369)
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研究分担者 |
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
斎藤 寛海 信州大学, 教育学部, 教授 (00020628)
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
長澤 栄治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
大月 康弘 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70223873)
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キーワード | 地中海 / 国際研究者交流 / エコロジー構造 / 海域 / ギリシャ:エジプト:マルタ / オアシス |
研究概要 |
平成17年度より、島嶼社会分析のための理論的、方法論的考察を積み重ねつつ、現地調査に着手した(8〜9月期)。調査を開始したのは、ナクソス島(ギリシャ)と、「砂漠の島」としてのシーワ・オアシス(エジプト)である。現地では、未着手の調査地に関する情報を勘案しながら、調査研究項目の策定、および調査対象島嶼に関する文献調査、統計資料収集・分析を行った。 調査現地では、拠点構築、統計省庁等を訪問して資料の収集、現地インフォーマントとの打合せを行った。その際の主な調査項目は、(1)現地のマイクロエコロジー構造(生存物資の調達方法やその範囲、自然環境との共存関係)、(2)現地集落(村落/町/より広域的な生活圏)内での経済活動状況、社会関係のサンプリング調査、1978年以降の人工動態・社会変動(社会関係)、(3)周辺島嶼を含むネットワークの中での当該島嶼の役割(対外関係)、(4)各国内での当該島嶼の政治・経済的位相(対外関係)、(5)都市圏への移民状況(対外関係)、である。 本年度の調査所見として、(1)1970年代以降のツーリズムの進展によって、現地の経済構造変容が加速されたと見えること、(2)人口構造(外来者の定着状況を含む)にも注目すべき変化が看取されたこと、である。 なお、上記調査期間以外にあっては、一橋大学での月例研究会において、各研究分担者が担当する分野に即した資料分析の結果を持ち寄った。これにより、各島嶼社会についての認識共有がさらに深まったと考えている。また、10月には、国外研究協力者であるジョアン・アルマンゲ博士(カリアリ大学)と、ミケーラ・ダル・ボルゴ博士(ヴェネツィア文書館)を招聘し、一橋大学、東京外国語大学、愛知県立大学、京都大学で一般公開形式のワークショップを開催した。彼ら、及び他の研究協力者との情報交換によって、18年度以降の調査に向けた方法上の検討も推進することができた。
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