研究課題/領域番号 |
16202013
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
渡辺 浩一 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 教授 (00201179)
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研究分担者 |
岡崎 敦 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 准教授 (40194336)
高橋 実 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (20296180)
大友 一雄 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (30169007)
臼井 佐知子 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (70185007)
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 教授 (70153369)
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キーワード | アーカイブズ / 比較 / 史料学 / 中世 / 近世 / 国際研究者交流 / 多国籍 / 韓国:中国:トルコ:フランス:イギリス |
研究概要 |
1.2007年6月18日に、パリにあるフランス国立文書館歴史資料センターにおいて開催された。参加者は約40名であった。「アーカイヴズ、権力、社会(中世・近世の西欧とアジア)-文書管理に働くさまざまな力」というテーマを掲げた。国家セッションでは、日本とフランスにおいてアーカイブズ管理における家の役割の大きさと、近世における権力強化にもかかわらずアーカイブズの一元的集中管理が伴わないという共通点が指摘された。「都市と農村」セッションでは、ロンドンと江戸における都市政策情報の蓄積と利用の様相が対比的に示されたほか、日仏農村文書の質的な共通性と量的な相違が明らかとなった。さらに、支配・従属関係にある出所組織体アーカイブズのヒエラルヒー構造の解明が今後の課題として指摘された。「商人」セッションでは、日本の商家文書という独特のあり方が、イタリア商業関係文書の存在形態の対比から浮かび上がった。この成果は、『「歴史的アーカイブズの多国間比較に関する研究」研究成果年次報告書平成19年度』(2008年2月)という形で仮に公表した。 2.2007年12月14,15日の2日間にわたり、立教大学において「近世アーカイブズの多国間比較」と題する国際シンポジウムを国文学研究資料館との共同で行った。参加者は、14日が約80名、15日が約100名であった。セッション1「近世アーカイブズをめぐる統治と社会」では、オスマン帝国・清王朝・ブルボン王朝・江戸時代日本を事例に、統治組織の官僚制化傾向とそれに伴う文書類型・文書管理の変化が指摘された。セッション2「実践される近世アーカイブズ」では、近世イングランド・江戸時代日本・朝鮮王朝・清代徽州を事例に、アーカイブズ実践の三段階、すなわち前提的領域(リテラシー・印刷)、中核的領域(情報管理)、結果的領域(文書の編集や叙述)について多国間の比較を行った。この成果は、『近世アーカイブズの多国間比較』(2008年3月、国文学研究資料館編)として仮に公表した。
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