研究課題/領域番号 |
16202016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
海老澤 衷 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60194015)
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研究分担者 |
深谷 克己 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20063696)
岡内 三眞 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90093210)
紙屋 敦之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00194978)
新川 登亀男 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (50094066)
西村 正雄 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30298103)
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キーワード | 赤米神事 / 照葉樹林 / 弓削島 / 東寺 / バリ島 / アユン川 / 宮古列島 / 八重山列島 |
研究概要 |
この研究を進めるにあたって、本年度選んだフィールドは、対馬、弓削島、バリ島(インドネシア)、琉球諸島であった。このうち対馬は、昨年度まで2年間行った科研調査(基盤研究B)の総括的なもので、照葉樹林帯と赤米神事および天道信仰との関係を全体的に明らかにするものであり、対馬に関してはこれで一応の完結を見た。東寺領荘園である弓削島については、詳細な地図作製の前段階的な作業を行い得た。現地景観を確認し、地形図に盛り込むべき文献資料の詳細な検討を行った。その結果、来年度には12世紀から16世に到る史料目録と、それとの照合を可能とする地図の作製について見通しを立てることができた。バリ島については、バサンアラス村の灌漑組織(スバック)に関する報告書の翻訳を行い、また、村の儀礼についての現地調査を行った。デンパサールにある国立ウダヤナ大学との提携により新たに13冊のスバック報告書を入手することができ、その中からアユン川の灌漑に関わる「モノグラフィ・スバックテマガ」を基軸にして今後調査を行うべく、準備を進めることができた。3月中旬に、琉球諸島の調査を行ったが、特に宮古列島と八重山列島を含めた先島諸島に焦点を絞って、水稲文化に関わる概括的な調査を行った。その結果、宮古島においては、浦底遺跡・新城遺跡などの立地に南方と日本を結ぶ水稲文化の可能性を見いだすことができた。今後プラントオパールなどの調査を行うことができれば、謎とされているジャポニカの南方ルートの解明にも寄与するものと思われる。また、石垣島においては御嶽(宮古島ではウタキ、石垣島ではオン)において米の豊年祭に関わる儀礼について聞き取り調査を行うことができた。以上、初年度であるため、調査は、対馬およびバリ島バサンアラス村を除いて、第一歩を踏み出したところであるが、今後への見通しを立てることができたといえよう。
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