研究課題/領域番号 |
16202016
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
海老澤 衷 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60194015)
|
研究分担者 |
深谷 克己 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20063696)
岡内 三眞 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90093210)
紙屋 敦之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00194978)
新川 登亀男 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50094066)
西村 正雄 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30298103)
|
キーワード | ジャポニカ / アンコールワット / 弓削島 / 先島諸島 / 東寺 / 鯨池公園 / 図化作業のデジタル化 / 愛媛県立図書館 |
研究概要 |
本年度の研究成果としては、『講座水稲文化研究III ジャポニカの起源と伝播/伊予国弓削島荘の調査』(A4判、255頁)を刊行したことが上げられる。これは、(1)2005年度に行ったシンポジウム「ジャポニカの起源と伝播」の各報告を論文化したもの、(2)2006年度に実施したカンボジア調査、(3)愛媛県上島町に所在した東寺領弓削島荘の調査の三つの内容を含んでいる。(1)は2005年10月29日に開催したもので、2005年3月に実施した先島諸島の調査の内容を踏まえたものであり、岡内三眞「ヒトと稲作技術と米消費文化が来た道」、深谷克己「近世農書の米認識」、紙屋敦之「琉球の石高制と稲作」、鶴見太郎「想像力への回帰-柳田国男『海上の道』の位置づけをめぐって-』、細谷葵「先島諸島における初期稲作と植物考古学」などを掲載することができた、いずれも今回の科研テーマ「東アジア村落における水稲文化の儀礼と景観」に深く関わるものである。(2)は2006年8月に実施したカンボジア調査に関するもので、岡内三眞「横たわるヴィシュヌ神」、三浦恵子「アンコールにおける観光開発の歩み」、紙屋敦之「朱印船時代の日本とカンボジア」、深谷克己「ナーガの転生」などを含む。(3)の東寺領弓削島荘は、「塩の荘園」として著名であり、海運と非農業生産が注目され、既に多くの研究が積み重ねられてきた。しかし、鎌倉時代初頭から存在が確認される水田については、その景観的位置づけについて十分には論じられてこなかったといえよう。今回、資料の新発見と図化作業のデジタル化が進展したことにより、大きな成果を生み出すことができた。危機に瀕していると言われる日本のコメ作りの一歩先を行く状況がこの弓削島では展開されおり、今後行われる調査のモデルとしての意義が生まれたといえよう。
|