研究課題
本年度は、昨年度までの研究を継続するとともに、最終年度にあたり研究の集約と研究書および研究雑誌への論文掲載、また研究集会などにおける報告を主目的とした。各メンバーが執筆した論文については下記のリストを参照されたい。共同の成果としては、五十嵐と佐々木寛によるオンデマンド授業のビデオ「平和と安全保障」がある。これは、本研究の主題である包括的安全保障の理論にもとついて、理論、日本および東アジアの現状、テロリズムや環境・エネルギー、ジェンダーなどの各論をめぐって論じたものであり、昨秋より立教大学および早稲田大学において授業に供されている。もう一つの共同の成果は立教大学の平和・コミュニティ研究機構が出版している叢書、計3巻での執筆である。各巻の主題は、「コミュニティと平和」「移動するアジア」「ローカル・コミュニティにおける平和政策」であり、2007年度前半の刊行にむけて順調に進捗している。これらの研究にも表れているように、本研究ではグローバリゼーションの影響下における包括的安全保障の諸問題、その理論と実践を研究対象とするとともに、実践の主体として「市民」を想定しているが特徴である。すなわち、ローカルからリージョナル、グローバルの各レベルのコミュニティにおける包括的安全保障の諸問題に取り組むのは、コスモポリタンな価値観を共有し、それらを実現しようとする人々であり、NGOや自治体であるという観点からこの研究を行なってきた。市民の立場からする包括的安全保障の理論構築と実践の分析が、本研究に一貫した視点であった。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (20件) 図書 (3件)
アメリカ政治外交のアナトミー(山本吉宣, 武田興欣編) 国際書院
ページ: 213-250
Japan Focus no.702
グローバル・ガバナンス-「新たな脅威」と国連・アメリカ』総合研究開発機構 (NIRA)・(横田洋三, 久保文明, 大芝亮編) 日本経済評論社
衰退論の登場(原典アメリカ史、第8巻)(アメリカ学会編) 岩波書店
アメリカ外交と21世紀の世界-冷戦史の背景と地域的多様性をふまえて(五十嵐武士編) 昭和堂
国際法外交雑誌 第104巻、第3号
ページ: 85(319) -112(346)
青山国際政経論集 第68号
ページ: 55-98
国連研究 第7号
ページ: 11-38
『20世紀の中のアジア・太平洋戦争』『岩波講座・アジア・太平洋戦争、第8巻』(倉沢, 杉原, 油井他編集) 岩波書店
週刊金曜日 06・12・8
近代東アジアのグローバリゼーション(マーク・カプリオ編) 明石書店
ページ: 220-253
『岩波講座』「帝国」日本の学知」第3巻 岩波書店
ページ: 257-302
立教法学 72号
ページ: 1-16
東アジア共同体を設計する(進藤栄一ほか編) 日本経済評論社
ページ: 192-199
原典アメリカ史・第9巻・唯一の超大国(アメリカ学会編 岩波書店
ページ: 177-186
中国総覧2005〜2006年版(中国総覧編集委員会編) ぎょうせい
ページ: 138-146
アステイオン65
ページ: 94-117
明治大学軍縮平和研究所『軍縮地球市民』
平和・コミュニティ研究 No2
アジア太平洋地域における平和構築
ページ: 130-50.