研究課題/領域番号 |
16203011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
岡田 章 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90152298)
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研究分担者 |
蓼沼 宏一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50227112)
古沢 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
今井 晴雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (10144396)
梶井 厚志 京都大学, 経済研究所, 教授 (80282325)
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キーワード | ゲーム理論 / 経済行動 / 動学ゲーム / 交渉ゲーム / 繰り返しゲーム / インセンティブ / 情報 / 環境 |
研究概要 |
本研究では、ゲーム理論の先端的研究として経済行動を合理性と限定合理性の総合的な視点から考察し、(i)組織・市場・制度の動学ゲーム分析、(ii)知識・情報・インセンティブのゲーム分析、(iii)ゲーム理論の応用・政策研究、の三つの研究テーマを相互に関連づけながら、経済システムにおける制度、市場、組織、人間行動の問の相互依存関係を解明する。16年度の研究実績は、以下の通りである。 (i)組織・市場・制度の動学ゲーム分析 無限の時間に渡る最大化問題における均衡動学の研究を行なった。高次元における解が定常解に単調に収束する条件を求めるとともに、均衡解が多数存在する不決定性の問題を生産関数がCES関数の2部門モデルで考察した。さらに、提携形成を含む一般的な協力n人ゲームの交渉モデルを定式化し、ナッシュ交渉解とコアを統合する新しい解概念(ナッシュ・コア)を提示した。 (ii)知識・情報・インセンティブのゲーム分析 様々な情報構造をもつ繰り返しゲームにおける協調の達成可能性について研究した。特に、観測費用のある繰り返しゲームにおける一般的なフォーク定理の導出に成功した。また、あいまいな情報に基づく戦略行動の理論分析を行い、非ベイズ的なあいまい情報に関する知識が経済主体の戦略的意思決定にいかなる効果を持つかを考察した。 (iii)ゲーム理論の応用・政策研究 環境問題への非協力-協力ゲーム理論の応用として、京都議定書のメカニズムに関する交渉の研究を行った。特に、期限付きの交渉ゲームの分析を逐次交渉ゲームとしてとらえ、ゲームのパラメーターによる交渉解の特定化を試みた。これらは、従来のナッシュ解やライファ解の一般化であることを明らかにした。
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