研究課題/領域番号 |
16203014
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
稲葉 由之 一橋大学, 経済研究所, 客員教授 (80312437)
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研究分担者 |
大森 裕浩 東京大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60251188)
大屋 幸輔 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20233281)
勝浦 正樹 名城大学, 経済学部, 教授 (70224467)
国友 直人 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10153313)
佐井 至道 岡山商科大学, 経済学部, 教授 (30186910)
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キーワード | 官庁統計 / 調査の精度評価 / ローテーションサンプリング / 時系列断層 / 個別情報の秘匿 / 小地域限定 |
研究概要 |
本研究グループは、これまで官庁統計の収集や公開に関わったことのある研究者が、官庁統計の現在や調査結果の広範な利用に直結する課題に焦点を絞り、理論的な観点から解決策を提示することを意図している。 最終年度となる平成19年度は本研究プロジェクトの最終成果取りまとめにむけ、まず例年と同じく官庁統計関連分野の他の研究プロジェクトと共同で研究集会を開催した(於 統計数理研究所 東京都・港区)。この研究集会では2日間で17件の研究報告が行われた。具体的にあげると青山学院大学経済学部の美添泰人教授は「政府統計の総合的な分析-世帯統計の利用例」で20年間の家計調査データを用いて所得格差の変遷を表現し、一橋大学経済研究所の山口幸三准教授の「政府統計個票データ利用の試行的提供及び統計法改正」は、官庁統計データの公開に係わる現状を考察することにより本研究における問題を明らかにした。この研究集会の討論には官公庁職員も参加し、質問や意見などもあって本研究の最終成果取りまとめに大いに弾みをつけた。研究成果報告書は代表者の稲葉が中心となってとりまとめ、研究成果として27本もの論文が所収された。この成果報告書は官公庁にも今後配布する予定でいる。 平成19年度はこの研究プロジェクトの最終年度となったが、平成19年5月には統計法が改正され「委託に応じた集計による統計の提供」や「匿名性の確保措置を講じた調査票情報の提供」に関する規定が新たに設けられた。この規定の内容は,本研究の研究課題に直接関係するものであり,旧研究代表者である故加納悟(一橋大学・経済研究所・教授)氏の企画した本研究の先見性と重要性を確認することができる。本研究の成果を官庁統計の公開や利用に活用するためには,これまで以上に各府省職員と研究者との意見交換が必要であり,それらを踏まえて更に研究を発展させることが望ましいと考える。
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