研究課題/領域番号 |
16203018
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 博 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10134636)
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研究分担者 |
佐藤 宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50211280)
後藤 寛 横浜市立大学, 国際総合科学部, 準教授 (40333710)
岩崎 えりな 一橋大学, 大学院経済学研究科, 契約職員 (20436744)
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キーワード | エジプト / 世帯調査 / GIS / 人口移動 / 貧困 |
研究概要 |
本研究は貧困問題と環境問題を中心に、現在、体制移行期にあるエジプトが直面している社会問題を、歴史的視点を導入しつつ、多角的かつ実証的に分析することを目的とする。ここで多角的とは、(1)法令を中心とした記述資料に基づく制度分析、(2)政府作成のマクロ経済社会統計データに基づく歴史統計分析、(3)世帯調査の実施によるミクロ統計データの収集に基づく家計分析、(4)歴史地図を含む地理データに基づくGIS(地理情報システム)分析、の性格の異なる四つのデータ・情報に依拠する研究を融合させることを意味している。とりわけ、(3)と(4)の接合が研究の中心となる。エジプト社会経済研究において、国際的に見ても、ミクロ経済社会統計データ、とりわけ世帯あるいは個人レベルのミクロデータの収集とその解析手法の開発は現在、開始されたばかりだからである。本研究は、かかる統計学的な手法にGISによる空間分析を接合させようという点で、画期的である。 4年計画として立案された本研究の3年目にあたる平成18年度には、平成16年度に世帯調査を実施した下エジプトと上エジプト地方の村落(5村落)、ならびに平成17年度に実施した下エジプトの5村落、上エジプトの3村落、オアシス地方(ワーディー・ジャディード県)の5村落において、次のテーマについて補足調査を実施した。(1)水の分配方法を始めとした灌漑システム、(2)婚姻関係を含む家族構造、(3)大家族の共同住宅を中心とした村落住民の居住空間、(4)デーツなどの商品作物に関する流通システムである。そして、このように世帯調査とインフォーマントによる提供によって得られたデータと情報を地図に載せて、それらの空間分析が可能になるように、17年度に引き続き、自らの測量による、村落居住区、耕地の地図を作成し、そのデジタル化の作業を継続して進めた。
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