研究課題
基盤研究(A)
行政サービスの供給は、直営方式や従来の一部業務の民間委託から指定管理者制度による業務全体の委託、民間事業者との競争により決定する市場化テスト、さらには独立行政法人化やPFI/PPPなど多様化が進んでいる。この多様化の実態につき国際比較研究を通じて明らかにするのが本研究の目的であるが、分野や規模及び効果など実態を的確に把握し分析することが前提になる。そこで、本年度は既往文献により多様化の理論的背景とタイプ・特性を整理するとともに、その進行状況を定量的に分析する方法論について研究を実施した。この際、多様化が進展し、かつ、当該研究の国際的権威であるノッテンガム大学のコリン・タルボット教授(公共政策論)及びオスロ大学のトム・クリステンセン教授(行政学)を招き理論及び方法の両面から分析のあり方などにつき討議するワークショップを開催した。また、国際会議で方法論の枠組みについて報告して手法の開発に努めるとともに、その具体的適用の可能性を検討するため国外(英国)及び国内の2自治体(静岡県と京都市)に対して実態調査を行った。さらに、客観的分析の基礎となる統計資料の活用可能性を探り、決算状況調べや財政統計で時系列的・自治体別に把握できる項目を抽出し、次年度の分析に際する予備的検討を行い、簡易な多様化モデルを開発した。その結果、サービス供給の多様化は国際的潮流ではあるものの、決して単一の方向ではなく、また、同一国の内部でも首長あるいは議会与党の政策により自治体別に力点がおかれる多様化が異なること、換言すればガバナンス構造と経営システムの組み合わせにより市場原理が強い市場化テストや民営化となったり、ネットワーク原理が中心となる協働型供給方式や参加型が卓越したりしていることが判明された。もっとも、多様化を金銭的に把握することは容易ではなく、物件費の中身に至る分析が必要とされ、より精緻なモデルに次年度改善する予定である。
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