研究分担者 |
盛山 和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50113577)
松本 三和夫 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50157385)
吉野 耕作 上智大学, 総合人間科学部・社会学科, 教授 (50192810)
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40197281)
佐藤 健二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50162425)
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研究概要 |
昨年にひきつづき5つのサブ・テーマ「ジェンダー・家族・労働」「福祉・高齢化・公共政策」「環境・科学技術」「多元主義・ナショナリズム」「公共性の社会理論」にもとづいて、月1回のペースで研究会を開催してきた。本年度は3年次に入り、昨年来準備を進めてきた、ふたつの調査を実施したことが大きな成果である。ひとつは、公共社会学の重要なテーマの一つである社会的公正を明らかにするため,「福祉と公平感に関するアンケート調査」というタイトルで2005年11月,全国の20歳以上の男女3,000名を対象に,現代日本の状況認識,高齢者福祉のありかた,政府の役割,環境問題と科学技術のありかた,経済活動と企業のありかた,公平感,家族とジェンダーなどの質問紙調査を実施した。今年度はデータクリーニングと一次分析を行った。もうひとつは新しい公共性を切り開くための官/民/協の協同をさぐるべく、住民参加型地域福祉の比較研究のために4つの先進事例を選び、2005年7月に現地調査を実施した。事例データの分析と比較に入っている。継続的に実施している日韓の交流プロジェクトでは、2005年10月29日にソウル大学の社会学研究室とジョイント・フォーラムを今回は東京大学で開催した。またそれぞれのプロジェクトでは、若年者の雇用機会にかんする研究を進め、これまでの調査データをもちいた分析を行ったり、阪神・淡路大震災被災者の生活支援についての理論的・実証的研究、グローバル化のもとでのナショナルな多元主義とトランスナショナルな多元主義の連動についてマレーシアの高等教育をめぐる新しい動きの現地調査など、複数の理論的・実証的研究が進行中である。また公共社会学の観点からの社会調査データベースの設計構想の基礎作業として、日本における社会調査史資料の収集と整理を進めた。とりわけ、今年度に関しては、もっとも包括的な地域社会調査に焦点をあて、「公共」という概念との接点を探った。
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