研究課題
基盤研究(A)
ワーキングメモリは言語ワーキングメモリと空間ワーキングメモリに大別できる。前者は音韻ループ、後者は視空間スケッチパッドと呼ばれるサブシステムによって担われている、というのがワーキングメモリの一般モデルである。これに中央実行系(CE)(あるいは単に実行系機能)が加わって目標志向的なワーキングメモリのダイナミックモデルが形成される。もっとも重要なワーキングメモリの機能は、これら二つのサブシステムを容量制約のもとで統合するシステムとしての中央実行系にある。中央実行系は最も注目される注意制御機構であるが、CEの脳内メカニズムについては前頭前野の背外側領域(DLPFC)や腹外側領域(VLPFC)に局在するのかあるいは、ワーキングメモリ負荷によってより広い領域に活性化が広がるのか明確ではなかった。しかし、本年度の研究によって、負荷の増大が両領域を選択的に活性化させることが分かった。これらに加えて、前部帯状回(ACC)が注意の制御と情報の更新に重要な役割を果たしていることが本年度の研究で明らかになった。特に高齢者(65歳以上のボランティア被験者)と健常者(大学生および大学院生)を比較すると、RST(reading span test)課題で前者のACCからDLPFCへのネットワークのつながりが劣化することが分かった。これは領域間のネットワークの協調機能を相互相関係数で比較した結果にもとづくものである。個人差も大きいがそれを超えて明確な傾向が認められた。る。このような結果から、DLPFCが自己モニタの機能、判断、プランニングなどのCE的機能を、ACCがDLPFCに対し情報更新の制御を行うCEとしての作用をあわせもつことが実験的に確認できた。実験結果の報告はNeiroImgage誌に投稿し、論文として採択された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (16件) 図書 (2件)
Vision Research 45
ページ: 301-309
精神生理学と生理心理学 (印刷中)
Cognition & Dementia 4(印刷中)
NeuroReport 16
ページ: 491-494
教育と医学 619
ページ: 19-27
Behavioral Brain Research 153
ページ: 123-127
NeuroImage 21
ページ: 623-631
Japanese Psychological Research 46
ページ: 86-97
ページ: 2-14
NeuroImage 23
ページ: 670-679
基礎心理学研究 23
ページ: 20-29
哲学研究 758
ページ: 103-120
VISION 16
ページ: 231-234
心理学研究 (印刷中)