• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

中央実行系の脳内表現-FMRIによる研究-

研究課題

研究課題/領域番号 16203037
研究機関京都大学

研究代表者

苧阪 直行  京都大学, 文学研究科, 教授 (20113136)

研究分担者 福山 秀直  京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
蘆田 宏  京都大学, 文学研究科, 准教授 (20293847)
苧阪 満里子  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70144300)
キーワードワーキングメモリ / 中央実行系 / 前部帯状回 / 上部頭頂小葉 / 内側前頭前野
研究概要

本年度は、内側前頭前野に位置する前部帯状回(anterior cingulate cortex: ACC)が背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex)および腹外側前頭前野(ventrolateral prefrontal cortex)と連携してワーキングメモリの認知的制御を担っていることが判明した。上部頭頂小葉(superior parietal lobule: SPL)もこれにかかわることも明らかにすることができた。高齢者のワーキングメモリの脳機能を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で大学生などの健常成人と比較すると、高齢者ではACCの活性化が減衰することやSPLの活性化が認められることが明らかになり、SPLがACCなどの機能低下を補っていると推定された。リーディングスパンテストによる言語性ワーキングメモリ得点の低下の要因として、抑制機能の衰えが考えられた。一方、高齢者でもイメージ化方略を使うように訓練することで得点の上昇とSPLの活性化が認められ、ワーキングメモリ機能の強化に有効な方法であることがわかった。また、高齢者でもワーキングメモリ課題下でのSPLの活性量に脳の左右半球差が認められることが明らかになったが、これは高齢者のワーキングメモリ機能の低下を補完しているものと考えられる。また、ワーキングメモリのかかわりを心の理論などの他者の心の状態の推定課題で評価した結果、この領域がACCやBA9とかかわりあいながら辺縁系とも相互作用をもちながら複雑な内的課題(例えば他者や自己の認識)を処理している社会脳領域であることが示された。以上の結果は、ワーキングメモリの注意制御系としての中央実行系が背外側や腹外側の前頭前野のみならず、内側前頭前野の制御にもかかわることを示唆したものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] メタ認知と前頭葉-ワーギングメモリの認知神経科学からのアプローチ-2008

    • 著者名/発表者名
      苧阪直行
    • 雑誌名

      心理学評論 50

      ページ: 216-226

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transcranial magnetic stimulation (TMS) of left dorsolateral prefrontal cortex disrupts verbal working memory performance in human.2007

    • 著者名/発表者名
      Osaka, N., Otsuka, Y., Hirose, N., Ikeda, Mima, T., Fukuyama, H., & Osaka, M
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 418

      ページ: 232-235

    • 査読あり
  • [学会発表] 注意の瞬きに関わるトップダウン処理とボトムアップ処理2008

    • 著者名/発表者名
      木原健・池田尊司・松吉大輔・廣瀬信之・苧阪直行
    • 学会等名
      第6回注意と認知研究会合宿研究会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      20080309-11
  • [学会発表] 視覚性ワーキングメモリの情報保持に関わる神経基盤の検討-ワーキングメモリ容量の個人差からのアプローチ-2008

    • 著者名/発表者名
      源健宏・苧阪満里子・苧阪直行
    • 学会等名
      日本ワーキングメモリ学会第5回大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-03-08

URL: 

公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi