研究課題/領域番号 |
16203041
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
菅原 勉 上智大学, 外国語学部, 教授 (10053654)
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研究分担者 |
飯田 朱美 東京工科大学, メディア学部, 助手
進藤 美津子 上智大学, 外国語学部, 教授 (40082177)
荒井 隆行 上智大学, 理工学部, 助教授 (80266072)
平井 沢子 上智大学, 外国語学部, 講師 (50286390)
飯高 京子 上智大学, 外国語学部, 教授 (40014716)
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キーワード | コミュニケーション障害支援システム開発 / 音声合成 / 肢体不自由患者の入力補助 / 聴覚障害 / 老人性難聴 / 単音節明瞭度試験 / 臨界帯域圧縮法評価 / 音韻聴取基礎研究 |
研究概要 |
(1)コミュニケーション障害者に対するコミュニケーション支援システムの開発と臨床への応用(飯田、畠山) 1-a バイリンガルコミュニケーション支援システムの開発:対象ユーザであるALS患者の日本語音声を収録し(株)アニモ音声合成システムFine Speech用音声DBを作成した。また同患者の英語音声を収録し(英)エジンバラ大学で開発されたFestival音声合成システム用音声DBを作成。来年度は各音声DBを用い作成した合成音声の聴取評価と二つのシステムを統合するユーザインタフェースを作成、コミュニケーションエイドを実装予定。 1-b 肢体不自由患者の入力補助の環境制御装置の臨床実験を行い、その効果を確認した。来年度は音声認識プログラムの導入を予定している。 (2)聴覚障害児者や老人性難聴者のための残響環境下における聞きやすい拡声処理と補聴器のための音声処理方式の開発と実用化への適用(荒井、進藤) 2-a 高齢者50名を被験者とし大規模な単音節明瞭度試験を行い、以下の2つを検証した:1)提案法(定常部抑圧処理)が小・中規模のホールを模擬した環境下(残響時間1.0,1.3秒)において明瞭度低下を抑えるのに有効であること、2)同処理が補聴器に応用可能であること。 2-b 重度聴覚障害を対象に改良ケプストラム処理を用いた臨界帯域圧縮法評価の聴取実験を行い、音質の改善を確認した。これにより、臨界帯域圧縮型の補聴器応用上、重要な知見を得ることができた。 (3)聴覚障害者の読話力と視覚情報および聴覚情報の関連性の調査(荒井、川中、菅原、平井、飯高) 声道形状を可視化する頭部模型を作成することを試みた。従来からの声道模型は口腔内での舌の位置などが捉えにくいものであった。それを、側方から見ることによって音声生成中の正中矢状断面を示すことができるようにした。これにより、適当な音源によって駆動することで得られる音声出力に加え、視覚的なフィードバックを与えることが可能となった。12月には国際シンポジウム"New technology and the investigation of the articulatory process"を開催し、構音器官の活動に関する情報収集方法の最先端技術について国際的研究者との情報交換を行った。同時に音韻聴取に際してのさまざまな基礎的研究を行い、関連学会にて報告した。
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