研究課題
平成18年2月に打ち上げられた赤外天文衛星「あかり」による本格的な赤外線サーベイを実施し、その初期成果を解析し、実際に超極赤銀河候補天体を抽出した。1.赤外天文衛星「あかり」の観測運用と波長2.5-160ミクロンでのサーベイ観測の実施南北両黄極方向は「あかり」の観測でもっとも可視性が良いところであり、近中間赤外域において各バンドで約3000秒もの露光時間を投入し、超極赤銀河の探査観測を実施した。観測したデータを詳細に解析した結果、夏至付近のデータについて、地球リム光の混入の影響があることがわかり、その評価を行うと共に、「あかり」の絶対指向精度・安定度の評価などを行った。2.超極赤銀河候補天体についての初期成果発表および追跡観測の検討北黄極サーベイ領域全域にわたっての解析はすぐにはとてもできないので、その中の数フィールドに限って集中的な解析を行い、「あかり」独自の中間赤外線銀河カタログを作成した。この中間赤外線銀河のリストを用いて、これまでに「すばる」望遠鏡で取得した画像(B、V、R、i、zの5バンド)と比較し超極赤銀河候補を抽出した。またこれらの天体の正体を明らかにするための、地上追跡観測(近赤外撮像および、可視光分光観測)を立案し、観測所にプロポーザルを提出した。また、この数フィールドの領域において検出された銀河カタログから、中間赤外銀河カウント、可視色分布のヒストグラム、そして明るい18ミクロン天体については、「あかり」独自の2.5-24ミクロンのスペクトル分布ライブラリを作成した。これらの初期成果を論文としてまとめ、PASJ特集号への投稿を行った。これらの研究に専心する研究支援員を昨年度に引き続き雇用した。また米国のSpitzer宇宙望遠鏡との観測協力や、ハワイにおける追跡観測、そして韓国・英国の共同研究者との打合せのため、海外旅費を支出した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Publ.Astron.Soc.Japan 58,
ページ: 673-694
The Publications of the Astronomical Society of the Pacific Volume 118, Issue 840
ページ: 324-343
Proceedings of the SPIE Volume 6275
ページ: 510