研究課題/領域番号 |
16204016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (20302680)
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研究分担者 |
黒田 和明 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00242165)
大橋 正健 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80213833)
内山 隆 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60361656)
高森 昭光 東京大学, 地震研究所, 助手 (00372425)
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
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キーワード | 地面振動の防振 / 垂直型レーザー干渉計 / 重力波 / ミニガスフィルター / ファブリペロー共振器 / 高反射低ロス鏡 |
研究概要 |
本研究は、地球上で、水平二方向(X軸、Y軸とする)に腕が展開する従来のレーザー干渉計の腕を、鉛直方向(Z軸とする)にも展開し、干渉計の腕がX-Y、Y-Z、Z-X軸に配置される計三台のレーザー干渉計を設置することにより、単独サイトでも、重力波源を同定可能にする重力波検出用三軸レーザー干渉計システムを開発するために必要な、「垂直型レーザー干渉計」の基礎研究行う。平成18年度は、まず、平成17年度に設計された「垂直懸架型3段振り子」の構築と、その防振性能評価が行われた。今回は、ミニガスフィルター素材として、入手性のし易さの点から、従来よく使用されていたマレージング鋼とは異なり、熱処理済みベリリウム銅を使用した。結果、ほぼ問題のない強度が得られ、設計荷重10kgに対し、無調整で2Hzという低い共振周波数が得られ、ほぼ目的通りの性能が確認された。このガスフィルター部を1段目の防振装置、2段目3段目を、擬弾性特性を持つ伸縮性アモルファス線の弾性特性自身(共振周波数12Hz)を防振装置とした垂直懸架型3段振り子で懸架防振された鏡によりFabry-Perot共振器を構成し、鏡への磁石コイルカによる位置制御、及び、レーザーの周波数の制御の2通りの制御により、問題なく共振制御ができることが確認され、研究計画の最大の目的である、垂直型レーザー干渉計(Z軸)の心臓部を構築することに成功した。また、すでに神岡鉱山内で設置、運用済みの水平型レーザー干渉計部(X,Y部)においては、20Hz〜30Hzの周波数帯域においては、2×10^-16〜3×10<^-17[m/rHz]の変位感度を達成し、それは、世界のレーザー干渉計型重力波アンテナとして世界最高変位である。100Hz付近においては、3×10<-18[m/rHz]を達成し、それは、LIGOの世界最高変位感度1×10^-19[m/rHz]につぐレベルである。
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