研究課題/領域番号 |
16204022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40213524)
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研究分担者 |
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
辺土 正人 東京大学, 物性研究所, 助手 (00345232)
藤原 直樹 京都大学, 人間・環境研究科, 助教授 (60272530)
梅原 出 横浜国立大学, 工学研究院, 助教授 (90251769)
繁岡 透 山口大学, 理学部, 教授 (50167441)
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キーワード | キュービックアンビルセル / ダイヤモンドアンビルセル / 圧力効果 / 強相関 / 重い電子 |
研究概要 |
圧力下で出現する磁気転移や電子状態の変化について、圧力範囲0<P<10GPa、磁場範囲0<H<20T、温度範囲30mK<T<300K、の多重極限環境下における基礎的物性測定を行う事により明らかにすることを目的に、Cubic Anvil圧力発生装置およびDiamond Anvil圧力発生装置を用いた、電気抵抗、磁化測定およびピストンシリンダー型圧力発生装置を用いた電気抵抗、磁化、比熱測定を強相関物質における圧力誘起相転移の研究を行った。これまでに開発したPalm Cubic圧力発生装置を3He冷凍機を用い冷却し、0.57Kまで冷却できることを確認した。同時にCeRhIn_5の電気抵抗測定を行い、6GPa程度の圧力下では、1.5GPa程度の圧力で誘起された超伝導が0.57K以下の温度に消失していることを確認した。これまでよりより静水圧性を良くすることにより超伝導が出現する圧力範囲がより狭くなっている可能性があることがわかった。また、クランプタイプの本装置は、低温で、若干圧力が上昇する傾向があることがわかった。 Diamond Anvil圧力発生装置を用いた13GPaまでの磁場中極低温での精密測定を行こなった。PrOs_4Sb_<12>においては、6.1GPaまでの圧力領域で存在する磁場誘起秩序相(FIOP)が、7.0GPa以上の圧力で消失すること、および超伝導及び重い電子状態形成に結晶場励起が大きく寄与していると考えられる結果を得た。SmFe_4P_<12>においては、Ce系化合物と同様に近藤効果による電気抵抗の肩が加圧により高温側ヘシフトすることを明らかにした。またP【less than or equal】13.0GPaの圧力領域において強磁性転移に伴う電気抵抗の異常が観測され、P=13.OGPaの圧力においても強磁性体であることを明らかにした。また、DACを用いた磁化測定を行い、TmTeの圧力誘起強磁性相の出現を確認すると共に、そのときのTmの磁気モーメントの大きさを決定した。
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