研究課題/領域番号 |
16204023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 英典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
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研究分担者 |
花栗 哲郎 独立行政法人理化学研究所, 高木磁性研究室, 先任研究員 (40251326)
HWANG H.Y 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30361611)
笹川 崇男 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (30332597)
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キーワード | 強相関半導体 / 不純物状態 / 界面 / ナノ電子相 / 高温超伝導 / サーミスター / 抵抗メモリー効果 |
研究概要 |
本研究課題は、強相関エレクトロニクスへの展開を視野に入れて、モット半導体(強相関絶縁体)のデバイス基礎学理を構築する事を目的としている。具体的な目標として、強相関電子系中の不純物状態やナノ電子相の直接観察とスペクトロスコピー、モット絶縁体界面の創成とその評価である。 1.強相関電子系の不純物周辺の局所電子状態の観測を進めた。磁気的量子臨界点ごく近傍に位置するSr_3Ru_2O_7中にMn不純物を導入し、不純物の姿を原子スケールで捉えることに成功した。さらに不純物周囲の局所電子分光を行い、Mn不純物の700meVの共鳴電子状態やフェルミエネルギー付近におけるMnt_<2g>軌道とRut_<2g>軌道との強い混成状態を観測した。また、不純物の影響の拡がりの長さスケールが数nmからさらにはるかに遠い領域にまで及んでいること見出した。この事実は、強相関効果による遮蔽の抑制と量子臨界性の反映と理解できる。 2.典型的な強相関電子系である高温超伝導体Ca_<2-x>Na_xCuO_2Cl_2の局所電子状態観察を進め、チェッカーボード型のナノスケール電子結晶状態を発見した。高温超伝導研究において、最大の謎の一つとされる擬ギャップ相の隠れた秩序として注目を集めている。 3.Crドープのモット絶縁体(V_20_3)と従来型半導体、金属の接合を作製し、高温モット絶縁体相において界面にショットキー障壁が形成される事を確認した。この界面障壁を用いたサーミスタデバイスの動作確認を行った。金属状態の接合において電界抵抗スイッチング効果(抵抗メモリー効果:RRAM)を見出した。
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