研究概要 |
(1)トポロジカルな磁気構造をもつナノ磁性体おける磁気励起 不均一スピン構造を有する単磁区ナノ磁性体におけるスピン波を調べた.特にスピン構造にトポロジー的な欠陥がある場合,スピン波はそのトポロジーを反映した有効ポテンシャルによる束縛状態を形成し,磁気励起スペクトルは得意な構造をもつ.サブミクロンサイズのドット,アステロイ等トポロジカル欠陥を制御できる構造を作成し,磁気励起の仕方を実験と理論ノ両面から調べた. (2)ナノ磁性体におけるトポロジカルな磁気構造の外場による制御と量子伝導 ナノサイズ磁性体リングは,安定な乾留磁気構造を取ることから,伝導電子の量子干渉計や磁気記憶素子など,応用の観点から調べた.量子伝導特性を調べるために,強磁性ナノリングに特有なスピンカイラリティに関連した自由度の制御を試みた.スピンカイラリティの効果が期待されるホール効果,磁気抵抗効果(アハロノフ・ボーム振動)を測定し,ナノ磁性体の量子伝導とスピントポロジーとの関連を調べた. (3)磁壁共鳴法を用いた磁気細線における磁壁質量の測定 半円型磁気細線を作成し,この中に導入した単一磁壁の質量を交流電流共鳴法で測定した.電流による磁壁移動は,電子の運動量移転によって行われること,交流にすると微弱な電流で磁壁を駆動できることを明らかにした.
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