研究課題/領域番号 |
16204029
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
兵頭 俊夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90012484)
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研究分担者 |
斎藤 晴雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60235059)
斎藤 文修 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40376588)
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部, 助教授 (60198322)
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キーワード | ポジトロニウム / 陽電子 / 寿命測定 / デジタル処理 / スピン軌道相互作用 / ポジトロニウム散乱 / ピックオフ消滅 / ポジトロニウム冷却 |
研究概要 |
本研究課題では(A)ポジトロニウム散乱におけるスピン軌道相互作用の研究、(B)ポジトロニウムのピックオフ消滅、化合物、共鳴状態の研究、(C)ポジトロニウムの冷却実験を目標としている。本年度はまず陽電子寿命精密測定装置の開発を行った。本装置は(A),(B),(C)全ての研究項目に使用するものであり、最近我々が開発したデジタル処理技術によるガンマ線の時間測定法を応用して、本研究に最適化した陽電子寿命測定装置を構築した。大型のBaF_2シンチレーターと光電子増倍管からなるガンマ線検出器を4台同時に用いることにより高い効率が実現できた。同時に高速デジタルオシロスコープを用いた波形処理により、正しいガンマ線のイベント以外の波形を除去し、データのSN比を大きく向上させた。各々のテーマについては以下の通りである。(A)ポジトロニウム散乱におけるスピン軌道相互作用の研究:本年度は寿命-運動量同時測定装置の開発を行った。運動量を測定するHPGe検出器の波形を高速デジタイザで処理するシステムを開発し、上記の陽電子寿命精密測定装置と組み合わせることが可能となった。(B)ポジトロニウムのピックオフ消滅、化合物、共鳴状態の研究:本年度は反応性の高い気体の定量が可能な測定チェンバーの開発を行った。設計を終え性能テストの段階にある。(C)ポジトロニウムの冷却実験:本年度は微粒子空隙間の擬似キャビティ中でのキャビティ表面相互作用によるポジトロニウム冷却実験を行った。上述の陽電子寿命精密測定装置を用い、12K-295Kでポジトロニウムのピックオフ消滅率を測定したところ、12K-70Kの範囲ではほぼ一定に近く、70Kから295Kの範囲では予想よりも急激に上昇することが分かった。またヘリウムガス冷却のためのクライオスタットの開発を行った。
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