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2006 年度 実績報告書

光を用いた量子情報処理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16204031
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

山本 喜久  国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (60370102)

研究分担者 根本 香絵  国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (80370104)
松本 啓史  国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (60272390)
キーワード量子コンビュータ / 量子エレクトロニクス / 情報基礎
研究概要

昨年度に引き続き、弱い非線形量子情報処理の方法の解析と改良。拡張を行った。また、弱い非線形量子計算の方法の応用として、誤り符号訂正への応用とクラスター・ステートの方法への応用を扱った。クラスター・ステートの方法では解析が、準備段階的なものであるにもかかわらず、線形光学量子計算の場合とは全く異なるスケーラビリティをもつことを示唆する興味深い結果が得られた。またコンピュータ・アーキテクチャの観点から、量子計算系全体のパフォーマンスを調べた。これは弱い非線形量子計算の利点でもある分散型計算を、どのようにすれば効率よく構成できるかを明らかにするための解析の第一歩となる。
現在、指数加速を実現する量子アルゴリズムは、殆どが隠れ部分群問題に帰着されるものである。この問題に関して、典型的に用いられる入力状態を使った場合、どの程度答えについての情報が取れるか、計算量を度外視して調べた。その結果、必要な情報を得るには多くの状態に跨った複雑な測定をしなければならないことがわかった。これは、従来と同じ入力状態では効率的なアルゴリズムが不可能であることを強く示唆する。
非線形光学量子計算のハードウェアの候補として、^<19>F : ZnSe、^<29>Si : GaAsのデコヒーレンス時間の評価、単一不純物のアイソレーション、マイクロキャビティヘの埋め込み技術の検討を進めた。^<19>F : ZnSeシステムに関しては、MBE成長法とプロセス技術の改良により、安定に単一不純物をアイソレートすることに成功し、これを光子アンチバンチングの測定から確認した。^<29>Si : GaAsに関しては、まだ単一不純物のアイソレーションには成功していないものの、T_1時間の評価を行ない、T_1>4msecという極めて長いT_1時間の観測に成功した。ピコ秒パルスを用いてスビンエコーをかけることにより、同程度に長いT_2時間を達成できる可能性があることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Quantum error correction via robust probe modes2006

    • 著者名/発表者名
      F.Yamaguchi
    • 雑誌名

      Physical Review A 73

      ページ: 060302R

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Hybrid quantum repeater using bright coherent light2006

    • 著者名/発表者名
      P.van Loock
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 96

      ページ: 240501

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Implementing Non-Projective Measurements via Linear Optics : an approach based on optical quantum state discrimination2006

    • 著者名/発表者名
      P.van Loock
    • 雑誌名

      Physical Review A 73

      ページ: 062320

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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