研究課題/領域番号 |
16204034
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山崎 俊嗣 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (80344125)
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研究分担者 |
金松 敏也 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90344283)
小田 啓邦 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90356725)
横山 由紀子 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (40351879)
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キーワード | 古地磁気 / 古地磁気強度 / 気候変動 / 海底堆積物 / 磁気相互作用 / 地球軌道要素 / 堆積速度 / 南東太平洋 |
研究概要 |
堆積物から求める相対古地磁気強度変動に、気候変動に伴う堆積物の物性変化の影響が混入している可能性を調べるため、西部赤道太平洋と中部北太平洋から採取された堆積物コアの古地磁気・岩石磁気記録を比較した。過去約150万年間の相対古地磁気強度変動は非常に良く一致するのに対し、堆積物中の磁性鉱物の粒径及び鉱物種の変化の指標となる岩石磁気パラメータは、2本のコア間で違いが大きい。これは、相対古地磁気強度変動記録に対する堆積物の物性変化の影響は小さいことを示している。従って、相対古地磁気強度に見られる約10万年の周期的変動は、堆積物の物性変化を表しているのではないと考えられる。 堆積物が忠実に古地磁気強度変動を記録しているかどうかを検討するため、これまでの古地磁気強度データを整理した結果、堆積物の性質の中で、堆積速度の変化及び炭酸カルシウム含有量の変化が古地磁気強度推定に影響を与える可能性のあることが判明した。マニヒキ海台の石灰質堆積物では、堆積速度が減少するにつれ、非履歴性残留磁化(ARM)または等温残留磁化(IRM)で規格化された残留磁化強度は小さくなっている。その原因は、磁性鉱物間の磁気相互作用の大きさの違いである可能性がある。これを確かめるために、今年度新たに導入した磁気特性測定装置を用いて、堆積物試料で磁気相互作用の大きさを見積もるための実験を開始した。 西部赤道太平洋海域のコアで発見された古地磁気強度と伏角の間の相関関係についてのモデルを検証するためには、南東太平洋海域からもデータを得る必要がある。そのため、2004年8〜9月に調査船「よこすか」による航海を行い、南東太平洋海域から3本のピストンコア試料を採取し、古地磁気・岩石磁気測定を開始した。
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