研究課題/領域番号 |
16204038
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 谷生 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50111448)
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研究分担者 |
金川 久一 千葉大学, 理学部, 教授 (40185898)
佐藤 利典 千葉大学, 理学部, 教授 (70222015)
宮内 崇裕 千葉大学, 理学部, 助教授 (00212241)
津村 紀子 千葉大学, 理学部, 助手 (00272302)
宍倉 正展 産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (00357188)
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キーワード | 房総半島 / フィリッピン海プレート / 元禄地震 / 重合効果 |
研究概要 |
本年度の目的は、第1年度に取得したデータを処理して、房総半島南部地下にもぐり込むフィリッピン海プレートとその上位にある房総半島の地殻構造をイメージングする処理作業の基礎を築くことであった。具体的には以下のように研究を進めた。 1.前処理とデータセットの作成 804受振点、1005発振点に対して、(1)受振記録、海上発振記録に記入されているGDP時刻を用いて、各発振に対応する各地点の受振記録を整理する(2)各発振点、受振点の座標をD-GPSで決定する、という前処理を行い、反射法用のデータセットを用意した。 2.海岸線に沿う重合測線を暫定的に設定し、標準的な反射法による断面を作成した。この断面には、フィリッピン海プレートに関連すると思われる反射面が部分的に確認できるものの連続性に乏しく、かつ不鮮明である。その理由として考えられるのは、(1)発振ラインと受振ラインのオフセットが2〜3kmあり、重合測線周辺に共通反射点(CDP)が必ずしも集中していない、(2)推定される地下構造の方向と重合測線が垂直ないし高角で交差していないために、重合効果が現れにくくなっている、の2点であると推測された。 3.2の結果は、標準的な反射法処理では本研究の目的が達成しがたいことを示している。そこで、重合対象CDPの選択幅、重合方向に依存して重合効果がどのように変化するか、という処理上の実験をくりかえした。その結果、(1)個々の領域毎に重合効果を最大にするような重合方向が存在すること、(2)その方向が主要な構造方向であると考えられること、が明らかになった。 本年度の成果の中心は、個々の領域毎に重合方向を変化させる新しい処理方法の開発が本研究を前進させる鍵であることが示されたことにある。最終年度は、新方法の開発と、それによるイメージング作業の遂行が中心課題となる。
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