研究課題/領域番号 |
16204039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 教授 (00126426)
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研究分担者 |
栗田 裕司 新潟大学, 理学部, 助教授 (60334645)
卜部 厚志 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20281173)
中本 信忠 信州大学, 繊維学部, 教授 (40109202)
田中 里志 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (00252536)
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キーワード | 沖積層 / 完新統 / 音波探査 / 音響断面 / 塩水遡上 / 淡塩境界 / 緩速ろ過 / 水資源開発 |
研究概要 |
本科研費初年度の今年は以下の調査を行った。1)新潟沿岸地域での音波探査を実施し、新潟平野の沖積層との対比を試みた。2)阿賀野川での塩水遡上の調査を行った。3)新潟平野で最も層厚が厚くなると推定される巻町で沖積層を貫くボーリング掘削を実施した。4)ベトナム、メコンデルタ地域で三つの省を訪れ、飲料水供給システムの実情を調査した。各調査結果を簡単にまとめる。 1)8月、新潟市沿岸域の阿賀野川沖-新川沖の水深20m〜80mの海域において音波探査を行った。主たる測線方向は東北東-西北西、総測線長は約65kmである。調査の結果本海域における音響層序は、下位のB層と層厚15〜65mのA層(A2、A1層に細分)に区分される。B層は上部更新統およびそれより古い地層に、A層は沖積層に対比される。その内A1層は完新統に対比され、その基底深度は-90mである。一方、陸域では新川沿いで完新統の基底深度は-110mであり、海域より20m深い。 2)11月、阿賀野川河口部で塩水遡上の調査を行った。小潮期であったことと大きな出水の後であったことから、塩水遡上はきわめて小範囲であった。河床地形は今夏の出水で大きく変化し、河口砂州の大部分の消滅と1.5kmの中州の一部侵食があったが、基本的な澪筋の形には変化していない。左岸側の澪がより深く、また、これに沿ってより湖上が進んでいた。2kmの横断観測では左岸側で深みに塩水が存在するのに対して、左岸側のこれよりも深い深みに塩水が存在していないことが明らかになった。 3)3月、巻町で行ったボーリング掘削によって得られた110mに達する沖積層オールコア試料の記載・分析は現在進行中である。 4)1月、ベトナム、ホーチミン市で開催した国際会議では2件のメコンデルタにおける浜堤列の成長過程と塩水遡上について報告した。3月、ベトナムを再訪し、3省の人民委員会と懇談し、飲料水の供給システムについての資料を収集するとともに、緩速ろ過法による安全な水供給システムについて講演・意見交換を行った。
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