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2004 年度 実績報告書

硫黄同位体比微量分析から見る海底熱水系における微生物活動

研究課題

研究課題/領域番号 16204047
研究種目

基盤研究(A)

研究機関岡山大学

研究代表者

千葉 仁  岡山大学, 理学部, 教授 (30144736)

キーワード硫黄 / 同位体比 / 微量分析 / 海底熱水系 / 微生物
研究概要

微量試料の硫黄同位体比を測定するために元素分析計付きフローインジェクション式同位体比測定用質量分析計を導入した。そのキャリブレーションのために,申請者の岡山大学固体地球研究センターから岡山大学理学部への配置換えに伴って,従来型の硫黄同位体比測定用質量分析計も岡山に移設した。現在のところ両質量分析計の作動のチェックを行っているところである。
海底熱水系における微生物活動の痕跡を探るための試料(熱水チムニーや硫化物鉱石)は,本年度の海底熱水系調査航海により,沖縄トラフの伊平屋北部海丘と第4与那国海丘で採取した。これらの試料に対して,今後の同位体比分析のため,鉱物学的な記載を行った。さらに,鉱石膏,重晶石,閃亜鉛鉱の生成温度を見積もるために,これらの鉱物の流体包有物の充填温度と塩濃度測定を行った。これら測定値は,硫黄同位体比が微生物活動の痕跡を示した場合,その場の物理・化学環境を示唆する基本的な情報となる。
伊平屋北部海丘の閃亜鉛鉱中の流体包有物の充填温度の測定結果は,この海底熱水系における過去の温度分布を明らかにした。現在の熱水活動との比較から,過去における熱水活動の中心が現在の熱水活動の中心と同じであること,しかし,温度を指標として全体としての熱水活動の勢いを見ると,過去においては熱水活動が周辺域まで活発であったことを示す。また,現在の衰退しつつある熱水活動において,衰退の度合いに地域差があり,海底下の水理学的性質の変化に地域性があることが示唆される。現在活動中の海底熱水系において,熱水活動の変動史が明らかになったのは,この例が世界で初めてであり,非常に貴重な結果が得られた。
次年度以降,主目的である硫黄同位体比を用いた海底熱水系における微生物活動の痕跡を実際に探す測定を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of plume processes on the Fe isotope composition of hydrothermally derived Fe in the deep ocean as inferred from the Rainbow vent site, Mid-Atlantic Ridge, 36゜14'N.2004

    • 著者名/発表者名
      S.Severmann et al.
    • 雑誌名

      Earth and Planetary Science Letters 225

      ページ: 63-76

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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