研究課題
基盤研究(A)
本年度は、以下の成果を得た。(1)レーザ逆コンプトン散乱光子特性の検討を、JT-60Uトカマク装置(原研)で実際に観測された相対論的電子ビームパラメータを対象として実施した。YAGレーザ基本波をビーム電子と正面衝突させた場合、散乱光子の最高エネルギーは7keV程度と評価された。相互作用中心から4m離れた位置の20cm四方の検出面を想定した場合、電子ビームのトーラス方向の曲率より、相互作用長さは16cm程度と評価された。このとき、レーザパワーを10J/パルスとすると1パルス当たり6000個程度の散乱光子が検出面に到達することが示された。背景信号として、背景プラズマ中のビーム電子の制動放射をとりあげると、レーザパルス幅1ns、スペクトル検出範囲を5keV〜15keVとした場合、1700個程度の制動放射光子が検出面に到達することが予想され、この場合S/Nとしては3程度を期待できることが分かった。(2)光源レーザの検討を進め、YAGレーザ発振器の調達を実施した。発振器の主要諸元は、発振パワー0.8J/パルス(基本波)、パルス幅〜5ns、繰り返し10Hz、員数2台である。2つのレーザパルスを重ねることで1.6J/パルスが得られ、S/N〜1程度を期待できる。一方、2つのレーザパルスに僅かな時間差を設けることで、高時間分解での診断の試みも可能とした。(3)本研究課題では、パルスX線イメージ検出技術の開発が求められることより、そのための新規検出器概念の創出を進めた。また、検出装置の開発に必要な、基準用X線検出器の調達を実施した。(4)相対論的電子ビーム特性とその診断技術について調査検討を行った。(5)学会、シンポジウム、研究集会等にて、8件の報告を行った。
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Proceedings of Plasma Science Symposium 2005/The 22nd Symposium on Plasma Processing, January 26th-28th, Will Aichi, Nagoya Japan
ページ: 93
日本物理学会第60回年次大会講演概要集
ページ: 256
Presented at the 8th Meeting of the ITPA Topical Group on Diagnostics, Culham, UK, 14-18 March 2005 (CD-ROM)
日本物理学会2004年秋季大会講演概要集
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プラズマ・核融合学会第21回年会予稿集
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